子どもの笑顔と人権を守るため、新たな取り組みがスタートします。虐待や暴言など静岡県内の保育現場で2022年相次いだ不適切な保育を防ごうと、静岡県は新たな相談窓口「チャイム」を3月29日に開設しました。

<保育士>
「みんなでお団子大会をしたいと思います」

100人以上の子どもたちを預かる焼津市のなかよし保育園です。29日はみんなで泥団子作りに挑戦しましたが、中には三輪車で遊ぶ子も。こちらの園では子どもの人権と自由を尊重しています。

<なかよし保育園 北山茂園長>
「1人の人間と人間としてあたたかく向き合っていく、そういった場面がすごく大切」

無邪気に遊ぶ子どもたちの笑顔を守りたい。そのための取り組みが29日からスタートしました。

県のこども未来課が設置したのが、総合相談窓口の「チャイム」です。窓口には専任の相談員を配置、保育施設の職員や保護者から虐待や暴言など、不適切保育についての相談・通報などを受け付けます。

<静岡県こども未来課 鈴木安由美課長>
「通報など難しい案件もあるんですけど、呼び鈴を押すような形で気軽に電話、または専用フォームから連絡を入れていただく」

窓口開設の背景にあるのは2022年、静岡県内で相次いだ保育現場での事件です。牧之原市で発生した通園バスでの置き去り死事件や裾野市の保育園で確認された園児虐待など、子どもたちが被害に遭う事件を食い止めるためです。

県の新たな取り組みは保育現場や保護者から期待する声が上がる一方、戸惑いの声も。

<なかよし保育園 北山茂園長>
「(相談窓口開設は)県としてもあらためて、子どもたちの人権に大人の責任として向き合うという姿勢の表れだと思い、うれしく思います」
<保護者>
「最近事件が多いので気にはなるところですが、まずは園の中で解決をして、それでもだめだったら利用するのかな」
「(窓口が)県と考えると、すごく上に話すイメージがある。窓口として身近にあると、さらに安心」

静岡県の相談窓口「チャイム」は心理的なハードルを下げるため、匿名での受け付けも可能に。電話による相談は平日の午前9時から午後5時までですが、24時間対応できるようにウェブ上でも相談を受け付けています。

相談窓口の電話番号 070-1008-7805