■プラチナ万年筆はプラチナでできていなかった!?
 
 みなさんは、プラチナと聞いて何を想像されますか?私などは、プラチナカードとかプラチナ万年筆などを想像します。プラチナを名称に冠した万年筆ということで、てっきり筆先がプラチナでてきていると思っていましたが、あれは金でつくることが多いということがわかりました。しかし、こうした万年筆を含め、地金などを取り扱う会社は長い歴史を持つところが多いことも知りました。
 
 さて、こうしたプラチナなど貴金属は、海外の主産地から運ばれてくるものが大半です。その中でも、金、プラチナの産出国として著名なのは、南アフリカではないでしょうか。アフリカ大陸の最南端で、資源国。かつてはアパルトヘイトで悪名高い人種隔離政策が実施されていました。デ・クラーク大統領によるアパルトヘイト廃止、27年間投獄されていたネルソン・マンデラ氏がその後大統領にまでのぼりつめたということは今でも鮮明に覚えていますし、すごい歴史を持つ国と感じていました。
 
 最近では、BRICsの一角を占め経済発展が著しいことは皆さんもご存知のとおりです。今回は、この南アフリカを簡単に見てみたいと思います。
 
■プラチナのふるさと 南アフリカ
 
 南アフリカは、地層が大変古く、それがためにプラチナのような地球の長い歴史の中で形成されてきたプラチナの埋蔵量が多いようです。最近公表されたワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシルのプラチナのデータによれば、2016年の精製されたプラチナの生産量は、南アフリカが70%、ロシアが12%と両国で80%を占めています。南アフリカは、圧倒的な産出量を誇っています。これは、南アフリカがプラチナを含む古い地層の上にあることによりますが、地球の歴史を知る上でも貴重な地域であるわけです。
 
 もちろん、すでに触れたように、ロシアが南アフリカに次ぐ地位にあります。簡単に南アフリカをもてはやすわけにはいきません。また金の産出でいえば、南アフリカは中国にトップの座を明け渡しています。このトップ陥落の背景については、いろいろな見方があるとは思いますが、ここでは紙面の関係上触れません。ただ、人類発祥の地のアフリカ、金・プラチナを含む古い地層、こうした恵まれた環境を持ち合わせたのが南アフリカであり、人類の富の蓄積にも貢献してきました。
 
 これらのことから、「プラチナのふるさと」と呼んでみました。以前のプラチナコラムでは地中から現れたメシアと、プラチナのことを名づけてみましたが、金に負けず劣らず、きらりと光る渋い魅力を発し続けています。そのひとつのふるさとが南アフリカではないか、筆者はそう感じるのです。
 
■岐路に立つ南アフリカ
 
 以前触れたように、プラチナは、自動車の排ガス浄化の触媒としても使われ、私たちの生活にはなくてはならないものになっています。また、女性が大好きなジュエリーの中でも、プラチナは重要な位置を占めるようになっています。そして現在、プラチナは金と並んで、商品のポートフォリオとして確固たる地位を確立しています。
 
 このプラチナのふるさとである南アフリカも、生産量が減少していることが叫ばれて久しくなっています。また、鉱山労働者のデモの話題もよく取り上げられました。つまりは、プラチナ、金産出のトップを走ってきた南アフリカは今、岐路に立っているのではないでしょうか?それはBRICsの一角を占めるその地位においてもそうなのかもしれません。
 
 南アフリカの動向は、プラチナを見る上で目が離せない存在ではないでしょうか。今回は、南アフリカという国を取り上げてプラチナを見てみました。(【データ出所】World Platinum Investment Council ?Platinum Quarterly Q4 2016, 9th March 2017, P.10)