深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す、銘科精技控股(001319/深セン)が4月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3535万株を発行予定で、公募価格は25日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年に東莞市銘科精技五金製品有限公司として設立した民営企業で、20年に株式会社化し現社名となった。精密プレス金型および金属構造部品の研究開発、生産、販売を主業務とする。優れた金型設計能力を生かして、顧客に金属構造部品の技術設計から金型の設計、製造、そして金属構造部品の生産までのワンストップサービスを提供している。同社の製品・サービスは主に自動車工業分野で利用されており、主な顧客はマレリ、ヒロテック、ゲシュタンプ・オートモシオンなど世界的に有名な自動車部品サプライヤーであり、日産、マツダ、ボルボ、フォード、BMW、トヨタなどの自動車に採用されている。また、自動車分野以外ではリコー、京セラ、パナソニック、三菱、ヴィクトリックといった企業と取引関係を持つ。
 
 2021年における売上構成は、金属構造部品が81.14%、金型が18.86%。この3年はほぼ同様の売上構成となっている。販売地域別では、国内向けが71.37%、海外向けが28.63%で、国内向けでは華南地域が25.48%、華東が15.33%、華中が13.75%である。
 
 世界の金型市場は2011年の909億米ドルから18年には1200億ドルと、年間3〜5%のペースで成長してきた。20年から27年にかけても年平均4.8%の成長率を保つ予測だ。中国市場は世界市場を上回る年平均7.5%の成長が見込まれ、世界における中国市場のウエイトが一層高まるとみられる。また、中国の金型技術や生産能力は高まりつつあり、中国国内では輸入品から国産品への置き換えが進むとともに、中国から世界への金型輸出も2012年の37億3100万ドルから21年には74億7900万ドルと年平均5.89%のペースで増えた。
 
 同社は高い設計開発能力と安定した品質により世界の大手サプライヤーから信頼を得ていること、自社開発による開発補助プラットフォームによる低い開発コストと短い開発サイクルの実現、国内国外双方で市場開拓を進めていることなどを強みとしている。また、世界の自動車業界は新エネルギー車にシフトしつつあり、その売上は急速に伸びているが、新エネルギー車は省エネ効果を高めるために化石燃料車に比べて軽量化素材の使用比率が高くなっており、強度を保ちつつ軽量化を実現する部品が求められる。同社は2016年より積極的に軽量化、高強度成形技術による新エネ車向け技術の模索と蓄積を進めており、自動車業界の新たなニーズに対応する能力を持っている。
 
 一方で、経営規模が小さく、生産能力が低いため、日々高まる数量、品種のニーズに対応しきれなくなっている点がボトルネックだ。また、米中貿易摩擦の中で中国製の金型や金属構造部品は米国に輸出する際に25%の関税がかけられており、売上の約8%が対米輸出となっている同社にとっては小さからぬリスクである。
 
 2021年12月期の売上高は8億5563万元(前期比16.89%増)、純利益は9441万元(同8.72%減)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億9759万〜2億1403万元(前年同期比11.33〜20.60%増)、純利益が2200万〜2411万元(同7.91〜18.27%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)