深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、普蕊斯(上海)医薬科技開発(301257/深セン)が5月6日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1500万株を発行予定で、公募価格は46.8元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2013年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。中国内外に製薬会社、医療機器会社、関連製品の臨床研究開発向けのSMO(治験施設支援機関)サービス提供を主業務としており、過去の臨床試験プロジェクト実施経験を活かして操作性、実行可能性の高い各種臨床試験プロジェクト実施プランを作り、顧客向けに試験前のモデリングや準備、計画から治験事務局の立ち上げ、試験の実施に至るまでの臨床試験アウトソーシングのワンストップサービスを提供している。

 SMOサービスは1970年代に米国で誕生し、90年代には欧米や日本で急速に広まった。現在では医薬研究開発の産業チェーンにおいて不可欠なセクションとなっている。臨床研究がグローバル規模で行われるようになり、患者のリソースや運営コストなどで強みを持つ中国は国際的なマルチセンター臨床研究で利用されている。これにより、2008年には中国国内にも外国のSMOサービスを模倣した業務を行う企業が出現し、以降中国のSMO産業が発展していった。現在、中国には同社を含めSMOサービス企業が39社あり、業務に不可欠な治験コーディネーター(CRC)数が2000人を超えている企業は同社を含めて3社で、約半数の企業はCRCが100人以下となっている。同社は3200人以上のCRCを有しており、業界第2位の規模だ。
 
 中国国内のSMO市場規模は急速に拡大しており、2018年の23億3000万元から19年は33億6000万元と44.2%増加した。19〜22年も年平均44.0%のペースで成長が見込まれ、22年の市場規模は100億4000万元に達する見込みだ。
 
 同社は豊富なCRCリソースに加え、ファイザーやロシュ、ノバルティスファーマ、ジョンソン・エンド・ジョンソンといった多くの著名製薬会社と取引経験を持っていること、管理が難しくプロセスが複雑な臨床試験を多く引き受け、顧客から高い信頼を得ていることなどを強みとする一方で、SMOサービスに専従しており多元的な業務展開ができていないこと、資金力不足がボトルネックだ。また、市場競争の激化によりさらに高いレベルのサービスが求められていること、CRCの人件費上昇による粗利率低下、当局によるSMO業界の監督管理強化といった点が経営上のリスクとなっている。

 2021年12月期の売上高は5億296万元(前期比50.01%増)、純利益は5776万元(同63.58%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が約1億1800万〜1億3200万元(前年同期比21.47〜35.88%増)、純利益が1100万〜1300万元(同12.50〜32.96%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)