北京証券取引所への上場を目指している、浙江栄億精密機械(873223/北京)が5月23日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3790万株を発行予定で、公募価格は3.21元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2002年設立の民営企業で、18年に株式会社化した。精密締め具、接合具、構造部品などの精密金属部品の製造、販売を主業務としており、3C、自動車、通信、電力設備などの分野の顧客向けに製品を提供している。3C向け製品ではノートパソコン外部ケースの銅釘およびノートパソコンプリント基板(PCB)表面のSMDナット、自動車用製品はバッテリー端子、回転子接続ピン、ウォッシャーノズル、新エネルギー自動車用コイルなどである。

 機械部品において不可欠な存在である精密金属部品は、精密な工作機械、測定機器、精密電子設備、部品ユニット、自動車、電動工具など幅広い分野で利用されており、近年はコンシューマーエレクトロニクス、通信設備、自動車などの業界の発展に伴い、製品の小型化、精度の高さ、寸法の安定性、耐疲労性などの特性に対する要求がますます高まっており、ハイエンドな金属部品のニーズが急速に伸びている。

 同社製品の主な利用分野であるコンピューター、自動車などの分野はいずれも市場のキャパシティが大きく、中国政府による産業助成もあり、今後も大きな伸びしろが見込まれる。中国国内のコンピューター本体生産量は2011年以降3500万台前後で増減を繰り返しており、20年は前年より13%以上増加して14年以来となる4億台突破を果たした。新型コロナによるテレワークやオンライン学習の普及に伴い、コンピューター本体は今後も安定した需要が見込まれ、その上流にある金属部品市場も穏やかに発展すると見られる。
 
 中国の自動車生産台数は2017年をピークとして減少傾向にあるが、新エネルギー車の生産が15年以降急速に伸びている。20年には136万7000台に達し、21年は180万台に到達したと予測されている。新エネ車の需要は今後ますます高まり、より性能の高い精密金属部品が求められることになりそうだ。

 同社は現在までに90件の特許を取得するなど、主力商品に関連する高い研究開発、技術力を持っているほか、中国国内の業界基準に厳格に沿った確かな品質管理制度を備え、高品質な製品の提供を実現していること、3C分野、自動車分野いずれにおいても国内外の大手企業を顧客にしていることなどを強みとしている。一方で、会社の経営規模が小さく競争力が不足していること、さらなる発展に向けた資金力に乏しいことがボトルネックとなっている。また銅をはじめとする原材料価格の高騰、労働力コストの上昇、市場競争の激化といった経営上のリスクを抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は2億6102万元(前期比51.84%増)、純利益は2298万元(同0.89%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)