深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、江蘇瑞泰新能源材料(301238/深セン)が5月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1億8333万株を発行予定で、公募価格は7日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2017年設立で、20年に株式会社化した。深センメインボードに上場している江蘇国泰国際集団(002091/深セン)の子会社で、リチウムイオン電池材料、シラン結合剤などの化学工業新材料の研究開発、生産、販売を主業務としている。リチウムイオン電子材料分野では、売り上げ全体の91.62%(21年)を占める電池電解液や関連材料を製造する上で必要な重要技術を掌握し、高い品質水準と精度によって顧客市場において高い地位を保っている。リチウムイオン電池電解液の出荷量はこの3年間で中国国内トップ3を保ち続ける。

 また、電気自動車用電池メーカーの世界最大手で寧徳時代新能源科技(300750/深セン)をはじめ、新能源科技、LG化学、村田製作所の子会社・村田新能源など中国内外の著名企業と戦略的提携合意を結んでいる。さらに、ポーランドや韓国などに子会社を設置して、海外事業も積極的に開拓している。
 
 世界の自動車産業における電動化がますます明確になり、新エネルギー車が急速に発展する中で動力用電池の需要が大きく増えている。また、蓄電池用電解液の市場はまだまだ小さいものの、風力発電、太陽光発電の間欠性を補う上で蓄電池が重要な役割を担っていることから、今後の旺盛な需要が期待できる。特に新エネルギー、新材料、新エネ車産業を戦略的新興産業として位置づけている中国では各種用途のリチウムイオン電池の需要がますます高まっており、電解液の供給量も急速に増えると予測されている。2021年には100万トン未満だった中国のリチウムイオン電池電解液出荷量は、25年には200万トン近く、30年には500万トン近くにまで急増する見込みだ。
 
 同社は業界をリードする地位にあること、リチウムイオン電池材料と有機シリコン材料などに必要な主要技術を掌握して顧客と良好な提携関係にあること、生産、開発、販売、調達の各セクションおいて優れた人材チームを構築しつつあることなどを強みとする一方で、生産能力が市場ニーズの拡大に追いつけなくなっていることがボトルネックだ。新規上場による資金調達で、生産能力の拡大を目指したい。
 
 2021年12月期の売上高は52億309万元(前期比186.66%増)、純利益は6億233万元(同134.10%増)。22年1〜3月期の売上高は20億780万元(前年同期比150.84%増)、純利益は2億8776万元(同254.67%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)