深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、上海国纜検測(301289/深セン)が6月13日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1500万株を発行予定で、公募価格は33.55元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2004年設立で、20年に株式会社化した。電線ケーブルおよび光ケーブルの測定検査、計量、能力検証などのサービスを主業務としており、規格の制定、工場の審査、アプリケーションの評価などの専門技術サービスも提供している。中国の業界では数少ない、電力ケーブル、通信ケーブル・光ケーブル、裸電線・導体製品、電気設備用ケーブル、電磁線の5大ケーブル分野をカバーした検査機関である。
 
 毎年1万件程度の検査を実施しており、中天科技(600522/上海)、宝勝股フェン(600973/上海)、漢纜股フェン(002498/深セン)などの大手の各種ケーブル生産企業や国家電網、南方電網、中国石油、中国石油化工などのエネルギー企業、軌道交通、宇宙航空などの大型建設企業を顧客に持つ。また、国際市場も積極的に開拓しており、日本、ドイツ、イタリア、韓国、シンガポール、オーストラリア、ブラジル、チリ、メキシコ、ベトナム、インド、マレーシア、タイなどのケーブル生産企業とも取引関係を持ち、中国国内のケーブル検査業界をリードする地位を一層固めつつある。
 
 世界の検査測定市場は安定した成長を維持しており、市場規模は2009年の741億ユーロから20年には2127億ユーロと年平均10.06%のペースで拡大した。また、中国でも経済、社会の発展に伴い検査業界が急速に発展しており、製品の生産、流通、消費の各セクションで広く利用されるようになっている。中国の市場規模は13年の1495億元から20年には3585億元と年平均13%を超えるペースで成長、今後も急速な市場拡大が見込まれる。特に各種ケーブルは交通インフラや電力インフラに欠かせない製品であり、同時に高い安全性が要求される。各地で地下鉄建設、新エネルギー発電設備建設が進む中で、同社が扱う検査測定に対するニーズは一層高まることだろう。
 
 同社はケーブル検査測定サービスの各種規格、認証をクリアしており、市場における認知度、信頼度が高いこと、業界をリードする先進的かつ高い検査測定技術を持っていること、業界規格の制定に積極的に関わり、業界において強い発言力を持っていること、優れた研究開発人材を有していることなどを強みとする一方で、長年に渡りケーブル検査測定業務に特化した経営を行っており業務の幅が狭いこと、今後会社をさらに大きくする上での資本力が不足していることなどがボトルネックだ。
 
 2021年12月期の売上高は2億1854万元(前期比22.69%増)、純利益は7321万元(同31.50%増)。22年1〜3月期の売上高は5272万元(前年同期比5.41%減)、純利益は1676万元(同14.65%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)