深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、北京華如科技(301302/深セン)が6月14日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2637万株を発行予定で、公募価格は13日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2011年設立の民営企業で、軍事シミュレーション分野を主業務とし、作戦検証、模擬訓練、試験や検定、総合保障などの分野で顧客向けに良質かつ専門的なシミュレーション製品、技術開発サービスを提供している。主要な顧客は軍隊および国防工業企業である。売上の6〜7割を技術開発が占める。軍事用シミュレーション技術の民間用への転化にも取り組んでおり、モデリング、仮想現実、人工知能などの技術を活かし、公共の安全や教育分野向けに製品やサービスを提供する。
 
 シミュレーション軍事訓練システムの世界市場は2017年時点で130億米ドルで、その10年後には1216億ドルにまで成長するものとみられている。特に北米地域、アジア太平洋地域での需要の伸びが著しく、将来的にはラテンアメリカやアフリカでも市場が形成される見込みだ。近年軍備の拡大、近代化に大々的に取り組んでいる中国でも軍事シミュレーション市場規模は年々急成長している。20年の軍事用コンピューターシミュレーション市場規模は約118億5200万元で、前年比で11.32%増加した。27年には200億元を超える規模にまで拡大する見込みだ。

 同社は中国国内の軍事シミュレーション分野のリーディングカンパニーであり、高い技術イノベーション能力を持つこと、研究開発に積極的に投資し、先進的な技術開発を続けていること、製品体系が業界全領域をカバーしていること、経験豊かな研究開発チームを持ち、充実したインセンティブ制度によって従業員が高いモチベーションを持っていること、参入ハードルの高い軍事分野で顧客と安定した関係を築いていることなどを強みとしている。一方で、事業が軍事分野に集中しており、民間用などその他の事業開拓が不足していることがボトルネックだ。政府や軍の政策、方針変更により売上や利益が大きな影響を受けるリスクを常に抱えているため、安定した経営状況を実現するには民間用事業の積極的な開拓が望まれる。
 
 2021年12月期の売上高は6億8641万元(前期比30.31%増)、純利益は1億1807万元(同28.69%増)。22年1〜3月期の売上高は1540万元(前年同期比96.76%増)、純損失は3228万元(同2.64%損失増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)