深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、成都盛幇密封件(301233/深セン)が6月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1287万株発行予定で、公募価格は41.52元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2004年設立の民営企業で、10年に株式会社化した。ゴムによる高分子材料製品の研究開発、生産、販売を主業務としており、自動車業界を中心に、電気、航空などの各分野の顧客に対して、高性能なカスタマイズの密封、絶縁製品を提供している。これまでに上海汽車、上海GM、長城汽車、吉利汽車、BYDなどの自動車メーカー、瀋陽航天三菱汽車発動機などの自動車部品メーカーと取引関係を構築してきた。また、電気分野ではシュナイダー、特鋭徳、双傑電気などのメーカーを顧客に持ち、航空分野では中国航空工業集団の関連企業などと長期な提携関係にある。
 
 主な製品は自動車用の往復運動用オイルシール、回転軸用オイルシール、スパークプラグシール、シリンダーガスケット、電気用コネクターなど。2021年12月期の売上構成は、自動車用製品が51.61%、電気用製品が27.82%、航空用製品が9.08%となっている。販売地域別売上では、国内向けが91.67%を占める。

 中国の自動車市場は販売台数の成長が鈍化し、自動車産業は発展安定期に入っている。2021年の販売台数は2627万台で、25年の生産台数は3500万台前後に達するとみられている。19年における人口1000人あたりの自動車所有台数は米国の873台をはじめ、先進国が500台以上の水準にあるのに対し、中国は173台にとどまっており、中国では今後さらに自動車保有台数が急速に増えていく見込みだ。
 
 中でも、新エネルギー自動車は生産、販売台数が急増しており、21年は生産台数が前年比159.50%増の354万台となった。自動車の生産台数に対する新エネ車の割合は21年時点で13.59%であり、中国政府は25年にこの割合を20%以上に、35年には省エネ車と新エネ車の比率を各50%とし、自動車産業の電動化を実現する目標を立てている。
 
 また、中国では風力や太陽光といった新エネルギー発電設備の建設が急ピッチで進んでおり、電気用コネクターを製造する同社にとっても追い風となっている。さらに、中国軍が軍備の強化を続け、軍機の数を増やしている状況も、同社の航空向け製品事業拡大に向けた好機と言える。
 
 同社は顧客のニーズに合わせたカスタマイズ生産能力、取り扱う製品のモデルや規格の多さ、充実した研究開発体制、金型の設計開発力の高さ、品質の高さ、顧客およびサプライヤーと良好な関係を築いていることなどを強みとする一方で、業務規模が小さいこと、資金調達力の低さ、自動車部品産業が盛んな長江デルタ、珠江デルタから離れた四川省成都市を拠点としていること、外資の競合他社に比べて技術レベルやブランド影響力で劣ることなどが弱みとなっている。また、新型コロナなどにより世界的な半導体供給不足により自動車生産状況が不安定になっていることなどが業績リスクとして存在する。

 2021年12月期の売上高は3億1181万元(前期比14.70%増)、純利益は6546万元(同14.82%減)。22年1〜3月期の売上高は7153万元(前年同期比2.11%減)、純利益は1471万元(同27.46%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)