北京証券取引所への新規上場を目指している、柘城恵豊鑽石科技(839725/北京)が6月29日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1100万株を発行予定で、公募価格は28.18元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2011年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。人工ダイヤモンド粉体の研究開発、生産、販売を主業務としており、ダイヤモンド微粉およびダイヤモンド破砕整形材料が主製品となっている。長年の技術的な蓄積によって業界をリードし、「超硬質研磨材料人工ダイヤモンド微粉」の国家規格原案作成に参加した実績も持つ。
 
 ダイヤモンド微粉は非常に硬く、耐摩耗性、熱伝導性、生体適合性に優れており、ダイヤモンド糸鋸、研磨液、超硬質切削工具、超硬質結合研磨剤などの製造に用いられ、クリーンエネルギー、コンシューマーエレクトロニクス、半導体、セラミック・石材、石油・天然ガス採掘、機械加工などの分野で幅広く利用されている。同社製品は中国国内の関連業界上場企業、リーディングカンパニーのみならず、米国、日本、韓国、欧州などにも輸出されている。
 
 中国の人工単結晶ダイヤモンド市場は安定的な成長を続けている。生産量は2014年の172億カラットをピークに、15年以降は150億カラット前後で推移しているが、合成技術の発展に伴って品質の高い製品の割合が高まっている。また、人工ダイヤモンド微粉の輸出状況も良好で、輸出量は19年の31億8000万カラットから21年には47億8500万カラットに、輸出額も9億6100万元から13億4000万元にそれぞれ増加した。
 
 人工ダイヤモンドを用いた切削工具は近年、特にシリコン材料の高精度な切断が求められる太陽光発電産業におけるニーズが大きく高まっている。中国の太陽光発電設備用シリコンチップ生産量は、2016年の64.8ギガワットから21年は227ギガワットと年平均20%のペースで増加しており、従来の炭化ケイ素よりも高品質、高効率でロスが少なく、寿命が長いダイヤモンド微粉切削工具の需要は今後も旺盛であることが見込まれる。また、コンシューマーエレクトロニクス分野ではディスプレイガラス基板をはじめとする金属、セラミック、易損性材料の精密な表面処理を行うツールとして大きなニーズが存在する。

 同社はダイヤモンドナノ粉末エンジニアリング実験室などの研究機関を設立し、高い研究開発力を持っていること、国家規格より厳しい基準を設けて質の高い製品を提供していること、大手企業を顧客に持ち一定のブランド力を身につけていること、会社が人工ダイヤモンド関連製品の生産が盛んな河南省商丘市にあることなどを強みとする一方で、新製品や新技術の開発に向けたハイレベルな人材がやや不足していること、人材の呼び込みや育成、設備投資、経営規模の拡大を実現するための資金調達力に乏しいことがボトルネックとなってきた。
 
 また、市場競争の加速、株式公開前の時点で大株主である夫婦が96.65%の議決権を握り、上場後にやや下がるとはいえなおも高い出資比率を保って経営を指図し、中小規模の株主の利益が損なわれる可能性があること、材料のサプライヤーが少数に集中していることなどをリスクとして挙げている。
  
 2021年12月期のお売上高は2億1933万元(前期比53.93%増)、純利益は5601万元(同73.02%増)。22年1〜3月期の売上高は7425万元(前年同期比63.72%増)、純利益は1365万元(同42.99%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)