上海証券取引所の科創板への上場を目指している、江蘇隆達超合金(688231/上海)が7月11日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。6171万株を発行予定で、公募価格は39.08元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2004年に無錫隆達金属材料有限公司として設立した民営企業で、20年に株式会社化して現社名となった。合金材料の研究開発、生産、販売を主業務としており、合金管材(銅合金)、ニッケル耐食合金、高温合金を手掛けている。21年12月期の売上高は、高温合金が43.77%、ニッケル耐食合金が4.74%、合金管材が51.49%。
 
 合金管材は銅・ニッケル合金管、高速鉄道アース用合金管、黄銅管、紫銅管などが主力製品で、主に船舶、石油化工、電力、軌道交通、冷蔵冷凍などの分野に利用されている。また、近年は特に高温合金分野に力を入れている。高温合金は鉄、ニッケル、コバルトを基本元素として600℃以上の高温環境下で耐酸化、耐腐食性を持ち、一定の応力が作用する状況で長期間使用することができる金属材料で、タービンのフィン、タービンディスク、燃焼室など航空機、発電機、船舶などの戦略性産業において重要な役割を担っている。

 中国の軍用飛行機は年々増加しており、2021年には3285機に達したものの、その数は米国に比べるとはるかに少なく、今後も機体数が大きく増えることが予想される。また、米ボーイング社の予測によれば、民間用飛行機も世代交代やより環境に優しい飛行機の開発、導入により世界の民間用飛行機数が19年の2万5900から40年には約2倍の4万9405にまで増え、約20年間で4万3160機の新規納品が発生するという。特に中国は国産旅客機の開発に力を注いでおり、国を挙げて民間飛行機用エンジンの国産化に取り組んでいる。同社の高温合金技術は国産エンジンの開発にとって重要な存在であり、今後需要が大きく高まりそうだ。

 同社は高温合金、合金管材の生産および検査に関する高い技術力を持っていること、国防、船舶、民間航空、石油化工などの分野で顧客と安定した関係を築いていること、高温合金分野において世界一流の精錬、検査専用設備を備え、高い品質の製品を提供可能であることなどを強みとしている。一方で、高い生産技術力に対して基礎研究力が薄弱であること、資金力が不足しており生産能力や製品ラインナップの拡大、技術開発の加速などが難しい状況であることがボトルネックとなっている。また、ニッケルをはじめクロム、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、アルミニウムといった金属材料の供給不足、価格上昇による生産量減少、利益率低下が経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は7億2577万元(前期比34.49%増)、純利益は7020万元(同102.10%増)。22年1〜3月期の売上高は1億9462万元(前年同期比46.76%増)、純利益は1595万元(同1156.96%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)