上海証券取引所の科創板への上場を目指している、益方生物科技(上海)股フェン(688382/上海)が7月14日、新規公開IPOに向けた公募を開始する。1億1500万株を発行予定で、公募価格は18.12元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2013年設立で、20年に株式会社化した。グローバルな視野を持ったイノベーション型新薬研究開発企業で、非小細胞肺がん、乳がん、結腸・直腸がんなどの腫瘍、高尿酸血症や痛風といった代謝系疾患の分野にフォーカスして新薬の研究開発を進めている。優れた研究開発能力を持ち、ファイザーやメルク・アンド・カンパニーをはじめとする国内外の著名製薬会社と業務提携を行っている。22年6月23日現在で発売を行っている製品はなく、5つの製品について前臨床研究を進めているほか、同社にとって主力となる高尿酸血症、乳がん、非小細胞肺がん・結腸直腸がん用薬品の3つの製品についてはすでに中国や米国で第2相、第3相の臨床試験段階に入っており、臨床試験を通り発売が認可されれば売上、収益が発生する見込みだ。
 
 中国の薬品市場規模は2016年の1兆3294億元から19年には1兆6330億元にまで増加した。20年は新型コロナの影響などにより減少したが、21年には1兆7292億元に達したものと見られる。また、25年には2兆2873億元、30年には2兆9911億元と今後も安定的な成長が見込まれている。そのうち、化学薬は19年に8190億元に達し、25年には9752億元、30年には1兆1438億元にまで増加する予測だ。
 
 ライフスタイルの変化や環境の悪化、社会的ストレスの増大といった要因により、世界の新規がん患者数は2016年の1721万人から20年には1929万人に増え、30年には2404万人に達する見込みだ。中でも中国では世界と同じもしくはこれを上回るペースで新規がん患者が増えており、16年の406万人から20年には457万人となり、30年には581万人まで増加するとみられる。20年の中国における新規がん患者数、がんによる死亡者数で最も多いのはいずれも肺がんで、年間72万人が肺がんで死亡している。また、食生活の変化に伴い糖尿病や高尿酸血症などの代謝系疾患も増えており、同社が開発を進める関連薬品のニーズは今後ますます高まるものと見られる。

 同社は優秀な人材による高い研究開発力により、今後の売上や収益につながる製品開発や特許の取得を進めている一方で、医薬品大手メーカーに比べると資金基盤が弱いこと、製品の発売認可まで至っていないために、量産や販売といった商業化の経験、市場における認知度が不足している点がボトルネックとなっている。また、売上がない一方で製品開発に向けて多額の資金を投入し損失を出し続けており、今後数年利益が出ない状況が続けば上場廃止となるリスクを抱えての上場そなる。
 
 2021年12月期の売上はなく、純損失が3億5791万元(前期比66.02%の損失減)。22年1〜3月期の売上はなく、純損失が1億1987万元(前年同期比79.20%損失増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)