上海証券取引所のメインボードへの上場を目指している、遼寧鼎際得石化(603255/上海)が8月9日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3337万株を発行予定で、公募価格は21.88元。当初は7月19日に公募開始予定だったが、延期となった。
 
 同社は2004年設立の民営企業で、18年に株式会社化した。中国国内では数少ない、高分子材料の高効率触媒と加工助剤製品の両方を扱う供給業者で、ポリオレフィンの高効率触媒と加工助剤の研究開発、生産、販売を主業務としている。抗酸化剤の単剤をベースとして、顧客のニーズに合わせて専門化、カスタマイズ化した複合助剤プランを提供する。主要製品はスイスのSGS認証、欧州のReach認証を取得しており、主な顧客は中国石油天然気、中国石油化工、中国海洋石油、中国化工集団、国家エネルギー集団など、中国の大型国有企業や上場企業だ。
 
 同社が生産する高分子材料触媒や加工助剤産業の発展は、川下産業である高分子材料業界の発展と密接に関わっている。中国では経済の発展と市場規模の拡大に伴い、高分子材料の使用量は年々増加している。20年における中国の一次加工プラスチック生産量は1億355万トンで、化学繊維は6126万トン、合成ゴムは739万トン、塗料製品は2459万トンで、それぞれ14〜19年の平均成長率がおよそ6〜8%だった。
 
 また、これまで中国では重要な高分子材料であるポリオレフィンを輸入に依存してきた。ポリオレフィンの一種であるポリエチレンの20年における輸入依存度は48%に達している。一方、国内企業の技術の成熟によって国内生産も徐々に増えてきており、ポリプロピレンの20年の輸入依存度は約15%まで低下した。さまざまな分野で輸入品から国産品への置き換えが奨励されている現在の中国において、ポリオレフィンの触媒や加工助剤を手掛ける同社は大きな役割を担うとともに、成長が期待される。
 
 同社は20年近い蓄積により高い研究開発力と、効率が高く安定した製品を作る技術力を持つこと、7種類の抗酸化剤単剤製品を生産する能力を持ち同業種のライバル企業をリードしていること、豊富なラインナップの単剤の組み合わせにより顧客の細かいニーズに対応できるカスタマイズ製品を作れること、中国を代表する化学工業企業を多く顧客に持っていることなどを強みとする一方で、さらなる発展に向けた資金力、技術・開発・管理・販売各分野のハイレベル人材が不足していることが課題だ。
 
 また、近年四塩化チタン、ヘキサン、フェノール、イソブテンなどの主要原材料価格の上下動が大きくなっていること、危険物に属する製品を扱っており、甚大な安全性事故を引き起こす可能性があること、売上が少数の顧客に集中していることなどが経営上のネックとなっている。
 
 2021年12月期の売上高は7億3114万元(前期比38.49%増)、純利益は1億3152万元(同27.60%増)。22年1〜3月期の売上高は2億1792万元(前年同期比23.21%増)、純利益は3718万元(同12.17%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)