深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、諾思格(北京)医薬科技(301333/深セン)が7月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1500万株を発行予定で、公募価格は78.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2008年設立で、15年に株式会社化した。臨床試験の外部委託を請け負うCRO企業で、臨床試験運営、臨床試験現場管理、生物サンプル検査・測定、データ管理・統計解析、臨床試験コンサルティング、臨床薬理学の各種サービスの提供を主業務としている。21年12月31日現在で中国国内の790あまりの医療機関と提携を行い、国内外の約750の顧客に対して高品質、高効率で国際規格、国内規格に適合した臨床試験アウトソーシングサービスを提供している。21年12月期の売上構成は、臨床試験運営サービスが51.99%、臨床試験現場管理サービスが18.22%、データ管理・統計解析サービスが14.91%となっている。
 
 世界の医薬衛生支出は2015年の6兆7700億米ドルから18年には7兆3000億ドルに増え、23年には8兆3000億ドルにまで増加する見込みだ。これに伴い医薬研究投資額も増加し、15年の1498億ドルから18年には1740億ドルに増え、23年には2168億ドルにまで上昇すると予測されている。また、薬物の研究開発におけるアウトソーシング率は18年で37.7%となっており、23年には49.3%と約半分にまで拡大する見込みで、CRO市場規模も18年の464億ドルから23年には761億ドルにまで広がるものとみられる。
 
 特に中国の製薬業界ではジェネリック薬の生産、販売からオリジナル薬の開発への転換が進んでおり、これに伴って研究開発投資額も2014年93億ドルから18年には174億ドルと年平均17.0%のペースで増加した。23年には493億ドルにまで増える見込みだ。CRO市場規模も18年の47億ドルから23年には4倍近い172億ドルにまで拡大することが予測されており、中国国内の業界をリードする同社に対するニーズもますます高まることだろう。
 
 また、2018年における1か月の病院あたりの診察人数が米国の493人に対して中国は3倍近い1259人となっており、効果的にかつ短いスケジュールで臨床試験を実施できることから、世界の製薬会社が中国で臨床試験を実施するケースが増えているのも、同社にとっては好材料だ。
 
 同社は知識と経験が豊富な専門家チームを持っていること、国際経験豊富なマネジメント人材を揃えていること、臨床試験を行う上で必要な各種サービスをまとめて提供可能であることなどを強みとする一方で、急速に発展する中国内外の医薬研究開発市場に対して経営規模が小さく、業務の拡大が難しいこと、多国籍CRO企業と比べてコスト面で強みを持つ一歩売っで、細かな部分でサービス能力に劣ること、国際的な市場戦略が不十分であることなどがボトルネックとなってきた。
 
 2021年12月期の売上高は6億842万元(前期比25.59%増)、純利益は9923万元(同18.37%増)。22年1〜3月期の売上高は1億7024万元(前年同期比18.28%増)、純利益は2675万元(同15.39%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)