上海証券取引所の科創板への上場を目指している江蘇菲沃泰納米科技(688371/上海)が7月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。8387万株を発行予定で、公募価格は18.54元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2016年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。複雑な利用環境に適応したナノ材料技術の研究開発に注力し、高性能で多機能なナノフィルムの研究開発、製造および自主開発のナノフィルムコーティング設備の提供を主業務としており、携帯電話、イヤホン、電子ブックリーダー、ウェアラブル端末、ドローンなどコンシューマーエレクトロニクス製品やその部品向けに防水、防油、防腐、耐潮などの機能を持ったナノフィルム製品、コーティングサービスを提供している。製品は華為技術(ファーウェイ)、小米(シャオミ)、vivo、アマゾンなど国内外のハイテク企業に広く利用されている。
 
 2021年12月期の売上構成は、単層耐液ナノフィルムが42.34%、多層耐腐食ナノフィルムが38.12%、二層防液防気ナノフィルムが13.03%、ナノフィルムコーティング設備が6.51%となっている。
 
 ナノ材料を含む世界の新材料業界は近年急速な成長を続けており、今後も宇宙航空、電子・電気製品、医療機器、自動車などの工業技術のさらなる発展に伴って新材料の需要は益々高まることが予測され、2019年に3兆米ドル弱だった市場規模は26年には6兆ドルを突破するものとみられている。中国市場も2015年の2兆元から20年には5兆3000億元と年平均21.5%のペースで拡大し、20〜25年も年平均13.5%で成長して25年には10兆元に達する見込みだ。そのうち、中国のナノ材料市場規模は16年の692億3000万元から20年には1614億8000万元と年平均23.58%で成長し、21年には1848億2000万元に達したと予測されている。
 
 同社は充実した研究開発体制による高い技術開発力、国内外の大手企業に製品が採用されるなど優れた顧客リソースを持っていること、全ライフサイクルを対象にした品質管理、保証体系を備えていることなどを強みとする一方で、コンシューマーエレクトロニクス以外のセキュリティ設備、自動車電子、医療機器などの分野で競争力が低いこと、さらなる生産能力の拡大や技術開発、市場開拓に向けた資金が不足し、資金調達手段が限られていることがボトルネックとなっている。
 
 また、取引先上位5社が売上の8割前後を占めており、少数の顧客に売上が集中していること、技術の先進性を保ち続ける必要があること、半導体不足によるコンシューマーエレクトロニクス製品生産の減少に伴うナノフィルム需要の低下などの経営リスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は4億1040万元(約72.54%増)、純利益は3931万元(同70.78%増)。22年1〜3月期の売上高は9589万元(前年同期比56.40%増)、純利益は775万元(同46.17%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)