上海証券取引所の科創板への新規上場を目指している、上海聯影医療科技(688271/上海)が8月10日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1億株を発行予定で、公募価格は109.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2011年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。医学用画像設備、放射線治療製品、生命科学機器および医療のデジタル化、インテリジェント化ソリューションプランの提供を主業務としており、米国、マレーシア、アラブ首長国連邦、ポーランドなどに地域本部や研究開発センターを、米国に生産拠点を設けるなど、研究開発と生産、サービスのグローバル化に積極的に取り組む。
 
 これまでに80あまりの製品を発売しており、磁気共鳴画像システム(MRI)、CT、X線画像システム、PET/CT、PET/MR、医療用加速器システム(RT)などを手掛けており、製品は中国国内にある900カ所近くの大型病院に導入されている。
 
 世界の医療機器市場規模は2015年の3582億米ドルから20年には4430億ドルにまで成長し、25年には6275億ドル、30年に8183億ドルにまで成長する見込みだ。20年から30年の年平均成長率は6.3%となっている。特に中国は、医療機器の市場規模がもともと小さく成長が先進国より遅かったこと、高齢化の進行、国民の生活水準向上に伴う医療、健康ニーズの高まりによって世界全体を大きく上回るペースで医療機器市場規模が拡大しており、20年の7789億元から30年には2兆2433億元と、年平均成長率は11.2%だ。
 
 また、中国の医学用画像設備市場は2015年の299億7000万元から20年には537億元と、年平均12.4%のペースで拡大した。30年には1084億元となり、20〜30年の平均成長率は7.3%に達するとみられている。18年における人口100万人に対するMRIの保有数は日本の55.2台、米国の40.4台に比べて、中国は約9.7台とはるかに少なく、非常に大きな潜在的ニーズが存在する。また、1.5テスラの中〜低性能MRIが20年時点で約75%を占めており、今後高性能な3.0テスラのMRIへの置き換えが進むことが予測されている。CTやX線など、同社が手掛けるその他の装置、システムも市場が安定的に成長しており、同社を取り巻く市場環境は良好と言える。
 
 同社は、MRI、CTなどハイエンドな医学用画像設備の製品ラインナップを幅広く備えていること。多くの製品を中国国内で初めて生産するなど、先進的な生産技術を持っていること、世界で2000人を超える研究開発スタッフを有するなど充実した研究開発力を持っていること、中国内外で充実した販売ネットワーク、アフターサービス体制を有することなどを強みとしている。一方で、資金の調達手段が限られており、会社業務の急速な発展が制約されていること、シーメンスやGE、フィリップスなどの海外企業に比べると経営規模が小さく、ブランドの影響力も弱いこと、海外向けの売上の割合は5%前後にとどまっており、さらなる市場開拓が必要なことなどをボトルネックとしている。
 
 また、市場競争が激化していること、中国政府が2016年より大型医療設備の集中調達制度を実施しており、調達リストから漏れれば売上が大きくする可能性があること、重要部品を海外から調達しており、貿易摩擦や地政学の影響を受けやすいこと、人材の不足や他社への流出といった経営上のリスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は72億5375万元(前期比25.91%増)、純利益は14億350万元(同49.84%増)。22年1〜3月期の売上高は16億5861万元(前年同期比20.04%増)、純利益は3億168万元(同2.20%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)