上海証券取引所の科創板への上場を目指している、江蘇帝奥微電子(688381/上海)が8月11日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。6305万株を発行予定で、公募価格は41.68元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2010年に康導科微電子(中国)有限公司として設立した民営企業で、20年に株式会社化して現社名となった。高性能なアナログ半導体チップの研究開発、設計、販売を主業務としている。製品は主にアナログシグナルチェーン用チップ、電源管理アナログチップの2シリーズに分かれており、コンシューマーエレクトロニクス、インテリジェントLED照明、通信設備、工業制御、セキュリティ、医療機器などの分野に用いられている。これまでに開発したICチップの型式は1200種類に達し、21年には10億個を販売した。高い技術力と製品性能により、WPIグループ、文曄科技などの大手電子部品代理店と安定的な提携関係を構築しているほか、OPPO、小米などのサププライチェーンに組み込まれている。
 
 2021年12月期の売上構成は、アナログシグナルチェーン用チップが49.28%、電源管理アナログチップが50.72%となっている。20年12月期の世界のアナログインターフェース市場シェアは0.66%で業界10位。
 
 中国のアナログIC(集積回路)の市場規模は2012年の1368億元から20年には2666億元に拡大し、年平均成長率は8.70%と世界全体を大きく上回っている。また、世界最大のIC使用市場となっており、世界全体の50%以上を占めている。非常に大きな中国国内のニーズに支えられ、中国本土の半導体企業は実に大きな伸びしろを秘めている。中国では5Gの商業利用で世界をリードし、工業の自動化、自動車の電動化・インテリジェント化が積極的に推進されていることから、中国のIC市場規模は今後もハイペースで成長する見込みだ。ICの利用分野ではスマートフォン、TWS(完全ワイヤレスイヤホン)、インテリジェントLED照明、セキュリティ製品などを中心に需要が伸びるとともに、利用範囲もますます広がっている。米中貿易摩擦により半導体製品が主な制裁対象となったことで、中国国内では半導体製品の国産化の動きが加速しており、同社を始めとする中国の半導体メーカーにとっては追い風となっている。

 同社は、アナログICチップの設計、管理で20年近い経験を持つ董事長・社長を筆頭に、優れた管理人材、開発人材体制を整備していること、アナログICチップに特化した高い開発力を持っていること、主要な用途向けのICチップ製品を網羅していること、優れた顧客リソースを持っていることなどを強みとしている。一方で、国際的な大手ライバル企業に比べると市場における地位、総合的な技術力、販売規模、製品の種類、規模といった点でなおも一定の差をつけられていること、研究開発人員と研究開発資金が不足していること、資金調達の手段が限られていることなどがボトルネックとなっている。

 また、同社製品の主な利用先であるコンシューマーエレクトロニクスとインテリジェントLED照明分野で市場競争が激化していること、長期間の在庫商品が増えていること、強い周期性を持つ半導体産業の景気に業績が大きく左右されやすいこと、貿易摩擦によるシリコンウエハーなど材料調達コストの上昇などが経営上のリスクとして存在する。

 2021年12月期の売上高は5億765万元(前期比105.08%増)、純利益は1億6503万元(同310.77%増)。22年1〜6月期の売上高は2億9297万元(前年同期比31.40%増)、親会社株主に帰属する純利益は1億1954万元(同89.52%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)