上海証券取引所の科創板への上場を目指している、山東嘉華生物科技(603182/上海)が8月31日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4114万株を発行予定で、公募価格は30日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2000年に山東阿華保健品有限公司として設立した民営企業で、09年に株式会社化、21年に現社名となった。大豆たんぱくを主要製品とする大豆加工企業であり、大豆たんぱくのほかに大豆由来の食物繊維、大豆油、低温食用豆粕なども生産している。製品は中国各地で販売され、双匯発展(000895/深セン)、安井食品集団(603345/上海)、中糧集団、金龍魚などの中国食品企業と提携関係を持つほか、米国、日本、EU、オーストラリア、ロシア、南アフリカなど60あまりの国・地域にも輸出されている。21年12月期の売上構成は大豆蛋白が69.83%、大豆油が18.65%、大豆由来食物繊維が5.15%、低温食用豆粕が3.03%となっている。中国食品土蓄輸出入商会大豆たんぱく分科会のデータによれば、20年における、同社の大豆分離たんぱく中国市場シェアは10.70%だ。
 
 人びとの食や健康意識の高まり、植物性たんぱくが持つ長所に対する認識の深まりに伴い、大豆たんぱくを含む世界の植物性たんぱくの市場規模は年々拡大している。市場規模は2015年の36億6000万米ドルから、19年には53億2200万ドルに達した。25年には89億4600万ドルにまで拡大し、年平均9%前後の成長ペースを保つ見込みだ。そのうち大豆たんぱくの市場規模は19年時点で31億2000万ドルで、25年には46億5100万ドルにまで拡大すると予測されている。
 
 また、中国では19年に約1810万トンの大豆が生産され、そのうち約240万トンが大豆生産に用いられた。大豆たんぱく生産に用いる大豆の量は年々増え続け、24年には約373万トンに達するとみられる。古くから大豆を食べる習慣がある中国において、大豆たんぱくは食品やサプリメント、大豆ミート、飲料など、その利用範囲がますます拡大しており、非常に大きな潜在性を持っている。

 同社は20年以上大豆たんぱくの加工に携わり、成熟した生産技術を持つとともに、設備の自動化を推進して生産効率と品質の向上を実現していること、同社の「Sinoglory」ブランドが世界の大豆たんぱく市場で広く認知されていること、大豆たんぱくから豆粕、油脂、さらには食物繊維と、大豆の総合利用を実現していることなどを強みとする一方で、資金の調達手段が限られていること、手掛けている製品のラインナップが世界の大手企業に比べて単一的であることなどがボトルネックとなっている。
 
 また、食品安全リスク、主原料である非遺伝子組み換え大豆やエネルギーの価格上昇リスクのほか、売上に占める輸出の割合が40%近いため、貿易摩擦の激化や国際情勢の変化、為替レートの変動といった影響を受けやすいといったリスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は12億3420万元(前期比27.43%増)、純利益は7914万元(同6.83%増)。22年1〜6月期の売上高は7億6004万元(前年同期比20.61%増)、純利益は7359万元(同80.52%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)