深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、武漢聯特科技(301205/深セン)が8月31日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1802万株を発行予定で、公募価格40.37元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2011年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。光トランシーバーモジュールの研究開発、生産、販売を主業務としている。光ICから光デバイス、光モジュールの設計、製造技術を掌握しており、1000を超える型番の光モジュール製品を持つ。10ギガから400ギガまでの全シリーズ光モジュール製品を提供可能な中国では数少ないメーカーだ。製品は電気通信、無線通信、光ファイバー接続、データセンターなどさまざまなシーンで利用され、ノキアなど国際的な著名通信関連企業、中興通訊(ZTE)など中国国内の電気通信・ネットワーク設備メーカーを顧客に持つ。20年の売上ベースによる中国国内光モジュール市場シェアは約1.30%で、中国メーカーの中で第7位となっている。
 
 5G、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoT、AIなどの新技術の発展で大規模なデータ処理が必要となる中、中国では光通信産業が新たな発展のチャンスを迎えている。中国工業・情報化部賽迪研究院によれば、中国の光通信産業市場規模は2015年の787億5000万元から20年には1202億8000万元と年平均8.84%のペースで増加したものとみられる。今後中国をはじめ世界でデータの取り扱い量がさらに増え、ネットワークインフラの世代交代が進む中で光通信産業にはなおも大きな成長の潜在性が存在する。
 
 また、新世代の情報技術は電気通信、ビジネス、金融、情報化プラットフォーム、ソーシャルプラットフォームなどさまざまな分野と急速に融合し、データのやり取りが大量化、複雑化している。その中でデータセンターの市場規模が急速に拡大しており、IDCのデータによれば中国のデータセンター市場規模は2014年の372億2000万元から19年には1562億5000万元と、年平均33.23%の速度で増加した。一方で、中国の超大規模データセンター数が世界全体に占める割合は10%と米国の39%に比べるとまだまだ低い状態にあり、中国のデータセンターの規模は今後もハイペースで拡大することが期待される。データセンターの安定的な運営には、高品質かつ安全性の高い光通信が不可欠であり、同社の製品やソリューションプランに対するニーズもますます高まると見込まれる。
 
 同社は、高い技術力と優れた研究開発チーム、さまざまなシーンで利用可能な光モジュール製品を製造できること、IEC(国際電気標準会議)のCB認証をはじめ、欧米各国・地域の認証を多数取得するなど、品質が保証されていること、充実したカスタマーサービス、販売体系を構築していることなどを強みとする一方で、事業規模や資産規模が業界のリーディングカンパニーに比べて小さいこと、資金調達の手段が限られていることなどがボトルネックとなっている。
 
 また、技術の新陳代謝が目まぐるしいこと、欧米を中心とする輸出販売が売上の9割前後を占めており、為替レートの変化、貿易摩擦、輸出先の政策変更などによる影響を大きく受ける可能性があること、材料となる半導体の調達も約9割が輸入に依存していること、ここ3年の12月期における在庫評価額が流動資産の4割前後を占めていることなどがリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は6億2636万元(前期比34.98%増)、純利益は1億589万元(同145.40%増)。22年1〜6月期の売上高は4億1872万元(前年同期比35.07%増)、親会社所有者に帰属する純利益は6086万元(同63.25%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)