上海証券取引所の科創板への上場を目指している、鉅泉光電科技(上海)股フェン(688391/上海)が9月1日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1440万株を発行予定で、公募価格は115元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年設立で、10年に株式会社化した。スマート電力ネットワークターミナル設備用チップの研究開発、設計、販売を主業務としており、主要製品は電力量計量チップ、スマート電力メーター用MCU(マイクロコントローラーユニット)、搬送波通信チップなど。ファブレス経営を採用しており、シリコンウエハーの製造、半導体の実装・テストは外部企業に委託している。電力量計量チップでは三相、単相、単相SoC、IoTメーター用のチップを網羅しており、三相および単相SoC計量チップは中国国内の統一調達市場出荷量1位、単相計量チップは第2位となっている。21年12月期の売上構成は、電力量計量チップが51.78%、スマートメーター用MCUチップが28.00%、搬送波通信および関連チップが18.04%。
 
 中国の電力メーターは2009年頃から普及が進んだデジタル処理、リアルタイムモニタリング、自動制御などの機能を備えた第3世代のスマートメーターから、中国の「IR46」規格を満たした、2つのMCUを備える第4世代のスマートIoTメーターへと進化しつつあり、新型メーターへの置き換えに伴う同社製品のニーズがさらに高まることが期待できる。また、世界的に電力メーターのスマート化が進んでおり、印マーケッツ・アンド・マーケッツ社の予測によれば、世界のスマートメーター市場は17年の127億9000万米ドルから22年には199億8000万ドルと、年平均9.34%のペースで成長するとみられる。特に「一帯一路」沿線国へのスマートメーターおよび電力情報収集設備輸出拡大が、スマート電力メーター業界の新たな成長点となっている。
 
 同社はスマートメーターに関する重要技術を自己開発し、高精度な製品を提供可能であること、豊富な人材を揃え、研究開発にも積極的に投資していること、製品のラインナップが充実していること、早い時期からスマートメーター事業に従事しており、中国国内市場で高い認知度を持っていることなどを強みとする一方で、スマートメーターなどの電力ターミナル設備向けチップ製品に特化しており業務範囲が狭いこと、電池管理を主とする新エネルギー分野や工業自動化分野への業務延伸に取り組む一方でこれらの分野の経験が不足していることなどがボトルネックとなっている。
 
 2021年12月期の売上高は4億9934万元(前期比31.75%増)、純利益は1億139万元(同63.26%増)。22年1〜6月期の売上高は3億156万元(前年同期比49.37%増)、純利益は8721万元(同152.31%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)