深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、上海唯万密封科技(301161/深セン)が9月2日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3000万株を発行予定で、公募価格は1日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2008年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。油圧・空気圧用シール製品の研究開発、生産、販売を主業務とする。主な製品はピストンシール、油圧パッキン、オイルシール、建機の履帯用シールなど。21年12月期の売上構成は油圧シール製品が42.91%、油圧パッキンが36.45%、その他シール部品が17.23%となっている。
 
 中国液圧気動密封業界協会のデータによれば、油圧シール市場規模は2014年の509億元から771億元に、空気圧シール市場規模も192億元から267億元にそれぞれ増加した。主要な市場ニーズは主に新たな設備導入と、導入済み設備の部品交換であり、中国の工業化プロセス推進、大規模なインフラ建設に伴ってその需要はますます高まっている。シール部品は通常一定の寿命サイクルを持つ消耗品であるため、安定的な需要が期待できる。
 
 一方、中国の油圧・空気圧シール市場はハイエンド分野が海外の大手企業にシェアを占拠され、中国企業は工作機械、農機、小型建機などのローエンド市場でシェアを分け合ってきたが、近年は国による新材料、ハイエンド製造奨励政策によるリードもあり、中国企業が徐々に実力をつけ始めており、ハイエンド市場でも中国ブランド品が徐々に浸透し始めている。同社は技術力の向上、新素材の開発などを通じて、ハイエンド市場でのさらなるシェア獲得を目指す。
 
 同社は技術開発センターや実験室を持つほか、中国の大学との共同研究開発に取り組むなど高い技術開発力を有すること、材料の開発・生産から、製品の設計と生産に至るまでシール部品製造工程の全フローを網羅し、1000種類以上のシール部品を開発してさまざまな顧客のニーズに対応していること、中国最大の建機メーカーである三一集団など国内外の大手企業を顧客に持つこと、突発的な故障にも24時間対応するスピーディーなアフターサービス体制を構築していることなどを強みとする一方で、さらなる発展に向けた資金が不足し、資金調達手段も限られていること、研究開発設備の老朽化、ハイエンド人材の不足、生産能力の低さなどがボトルネックとなっている。
 
 また、売上の90%以上が建機、炭鉱機械業界向けで、かつ少数の顧客に集中していること、市場競争の激化、原料価格の上昇と顧客による製品価格引き下げ要求による利益率の低下といったリスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は4億1068万元(同期比1.39%増)、純利益は5964万元(同22.45%減)。22年1〜6月期の売上高は1億8743万元(前年同期比22.05%減)、純利益は3038万元(同10.06%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)