上海証券取引所の科創板への新規上場を目指している、科捷智能科技(688455/上海)が9月5日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4521万株を発行する予定で、公募価格は21.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2015年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。スマート物流、スマート製造システム・製品の設計、研究開発、生産、販売、サービス提供を主業務としている。速達荷物、大型物流、EC小売、流通などスマート化輸送・仕分けニーズに対応し、順豊エクスプレス(002352/深セン)、徳邦快递、燕文物流などの大型物流企業のほか、京東、蘇寧、韓国Coupang、インドFlipkartなど国内外の著名ECプラットフォームを顧客に持つ。また、スマート製造システムは主に家電、家具、自動車、通信電子、設備製造などの分野の顧客を持ち、総合コンサルティング、プラン設計、ソフトウェア・ハードウェア開発、システムインテグレーションなどを通じたソリューションプランを提供している。21年12月期の売上構成は、スマート物流システムが75.40%、スマート製造システムが21.02%。
 
 前瞻産業研究院の報告によれば、中国のスマート物流市場規模は2016年の229億元から20年には544億元と、年平均20%を超えるペースで成長してきた。20年の市場規模のうち、棚・ストレージ設備の市場規模は217億元、輸送・仕分け設備の市場規模は168億8500万元となっている。また、商務部のデータによれば中国のEC取引額は11年の6兆900億元から19年には34兆8100億元と、年平均24.35%のペースで拡大した。EC業界の高速発展に伴い、速達物流業界市場もハイペースで拡大している。国家統計局のデータでは、中国の速達業務売上高は11年の758億元から20年には10倍以上の8795億元にまで増加した。急速な業務規模の拡大に伴い、物流業界ではコストの節約、物流効率の向上を実現するスマート物流の導入が加速している。
 
 同社は輸送・仕分け技術の開発力、製品開発力の高さ、中長期的な戦略計画を立てたうえで製品の開発や業務開拓を進めていること、育成やインセンティブ制度の充実による優れた人材群を確保していること、物流、EC、製造分野の大手企業を多く顧客に持っていること、国際化運営を進めており、印度や韓国などを中心に海外での売上が売上全体の2割前後を占めていることなどを強みとする一方で、資金力が不足しており調達手段も限られていること、世界のリーディングカンパニーに比べて一部製品の特徴、経験の蓄積が不足していること、ハイエンド人材が不足していることなどがボトルネックとなっている。
 
 また、この3年間で売上の21〜48%を占める最大の顧客である順豊エクスプレスが同社にとって14.85%の株式を持つ2番めの大株主であること、市場競争の激化、原材料の供給不安定および価格上昇、直近3年間の各通期における連結ベースの資産負債比率が80%前後と高くなっていることなどが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は12億7740万元(前期比45.15%増)、純利益は8649万元(同40.72%増)。22年1〜6月期の売上高は3億8153万元(前年同期比45.76%増)、純損益は1197万元の赤字(前年同期比29.80%の赤字増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)