深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、浙江万得凱流体設備科技(301309/深セン)が9月6日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は5日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2016年設立の民営企業で、配管器材の設計、開発、生産、販売を主業務としている。主な製品は、各種銅製水道・暖気バルブ、配管部品などで、建築物の給排水、冷水・温水の供給、暖房、汚水排出などのインフラに広く用いられている。製品はミドルクラスからハイエンドの位置づけで、高い環境保護性能を強みとして主に北米、欧州などの先進国・地域に輸出している。21年12月期の売上構成は、バルブが65.04%、配管部品が33.53%となっている。

 配管器材は都市インフラ建設に欠かせないアイテムであり、都市化が加速する南アフリカ、インド、東南アジア、南米などの新興市場国・地域で需要が急速に伸びている。また、欧米などの先進国・地域は早い時期に都市化を実現しており、都市インフラのリニューアル、改修が必要な時期に差し掛かっているため新たな需要が発生している状況だ。さらに、居住環境の快適性、利便性や、資源の節約といったニーズにより、配管機材産業はスマート化、ハイエンド化に向けた発展のチャンスを迎えている。

 米調査会社グローバル・インダストリー・アナリストによれば、2020年における配管部品の消費市場規模は744億米ドルにのぼるとみられ、27年には998億ドルと年平均4.3%のペースで成長する見込みだ。20年の市場規模のうち、米国は約201億ドルで全体の約27%、欧州は約190億ドルで約25%、中国は約130億ドルで約17%を占めている。中でも中国は27年までに年平均7.8%と世界全体を上回るペースで市場が拡大し、世界市場に占める割合も22%にまで高まる見込みだ。同社は主に米国、欧州向けに製品を販売しており、今後大きな成長が期待される中国市場の開拓に力を注いでいる。
 
 同社はより環境に優しく、高品質な無鉛銅材料および無鉛銅製品の成熟した加工技術を持つこと、毎年300件の新製品を生み出すなど高い研究開発能力を持っていること、欧米の著名な配管システム業者を多く顧客に持ち、参入のハードルが高い米国市場で高い評価を得ていること、先進的な生産、検査設備を備え、高い生産効率、加工精度を実現していることなどを強みとする。一方で、中国国内市場の開拓が不十分であること、OEMまたはODM生産が主体となっており、末端消費市場において自己ブランドのイメージが確立できていないといった点がボトルネックだ。
 
 また、米国向けの売上が全体の7割前後を占めているため、米中貿易摩擦激化や為替レートの変動による影響を大きく受ける可能性があること、黄銅棒の原料である銅、亜鉛の価格高騰、売上の大部分が少数の顧客に集中していること、市場競争の加速、2021年12月31日現在の在庫評価額が流動資産の55.53%と高いことなどが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は7億4636万元(前期比33.41%増)、純利益は1億611万元(同50.87%増)。22年1〜6月期の売上高は4億2444万元(前年同期比32.58%増)、親会社株主に帰属する純利益は7183万元(同40.62%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)