深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指している、無錫化工装備(001332/深セン)が9月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は59.90元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は1984年に華東化工学院無錫紅旗聯合化工機械廠として設立した民営企業で、数度の改名、改組を経て2014年に株式会社化して現社名となった。金属圧力容器の研究開発、設計、製造、販売、関連技術サービス提供を主業務としており、反応圧力容器、保存圧力容器、分離圧力容器、海洋石油・天然ガス装置モジュールなどを非標準圧力容器製品シリーズを持ち、石油精錬
、石油化学工業、基礎化学工業、原子力発電、太陽光発電、船舶、洋上プロジェクトなどの分野に利用されている。高い技術力と製品の品質により、中国石油、中国石化、中国海油、中国核電、中広核、中化手段、シェル、エクソンモービル、BP、BASF、日揮など中国内外の多くの大型企業グループから適格サプライヤーとして認定されている。
 
 世界の業界分析企業GIAによれば、2020年における世界の圧力容器市場規模は約1589億米ドルで、26年には2138億元と年平均5.07%のペースで成長する見込みだ。エネルギー、化学工業分野の投資増が金属圧力容器業界の発展を力強く後押ししており、特にアジア・太平洋地域の発電能力拡大、中東地域の化学工業プロジェクトの増加が顕著となっている。また、中国でも経済発展とハイエンド設備製造業への強力な助成によって、金属圧力容器市場ニーズが持続的に成長している。国内の圧力容器保有量は02年の約120万台から、20年には約440万台にまで増加した。
 
 中国は現在、世界主要な金属圧力容器供給国となっており、企業数、生産量、生産高のいずれにおいても世界トップクラスにある。一方で、ハイエンド製品に必要な重要技術や最新設備は海外メーカーに依存しているほか、世界的に著名なブランドが確立できていない点が、中国の金属圧力業界における大きな課題となっている。
 
 同社は、高品質な製品によって獲得した質の高い顧客リソースを持っていること、高い技術開発力、太陽光発電分野など今後大きな成長が見込まれる川下産業分野に販路を開拓していること、中国国内に留まらず欧米や日本、東南アジア、中東、ロシア、オーストラリアなどの市場開拓を進めていること、産業チェーンが充実し交通の利便性も高い長江デルタ地域に本社を構えていることなどを強みとしいている。一方で、注文の増加に伴って生産能力が飽和状態になっていること、海外戦略の深化やクリーンエネルギー分野のさらなる市場開拓にあたり多くの専門人材を必要としていることがボトルネックとなっている。
 
 また、国外での売上が全体の3割前後を占め、世界の情勢変化、販売国の政策変更、貿易摩擦の激化などの要素が売上高や利益に与える影響が大きいこと、主な原材料である鋼材の価格上昇、市場競争の激化などが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は10億1271万元(前期比21.24%増)、純利益は2億2929万元(同18.75%増)。22年1〜6月期の売上高は5億6231万元(前年同期比23.05%増)、純利益は1億2849万元(同28.10%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)