上海証券取引所の科創板への上場を目指している、諾誠健華医薬(688428/上海、09969/香港)が9月9日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2億6465万株を発行予定で、公募価格は11.03元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2015年設立。20年に香港メインボードに上場しており、上海科創板への上場が実現すれば重複上場となる。腫瘍および自己免疫性疾患などの分野に特化した製薬を主業務としている。目論見書発行日現在で、B細胞リンパ腫治療に用いられるBTK阻害薬のオレラブルチニブが中国国家薬品監督局から条件付きでの発売認可を受けており、12種類の製品が第1〜3層の臨床試験段階に、4種類が前臨床試験段階にある。オレラブルチニブは21年12月に国の医療保険適用薬品リスト入りし、同31日現在で中国国内数百か所の病院で使用されている。
 
 2021年12月期の売上構成は、オレラブルチニブによる薬品販売が20.61%、技術ライセンス業務が74.49%、研究サービス収入が4.90%となっている。
 
 人口の高齢化、社会の医療衛生輸出の増加、医薬研究投資の増加に伴い、世界の医薬産業市場規模は安定的に成長しており、2020年の市場規模は1兆2988億米ドルに達した。25年には1兆7114億ドル、30年には2兆1059億ドルにまで拡大すると予測されている。また、中国の医薬市場規模も20年の1兆4480億元から25年には2兆2873億元、30年には2兆9911億元にまで成長する見込みだ。
 
 中でもがんに代表される腫瘍は死亡率の高さ、予後の悪さ、治療費の高さから、解決が急がれる人類の医療衛生問題の一つである。世界のがん患者数は2016年の1721万人から20年には1929万人まで増えた。特に中国はがんの新規患者の年平均増加率が世界平均を上回っており、30年の新規患者数は581万人を超え、世界の新規患者数の24.2%を占めるとみられている。これに伴い、中国の抗腫瘍薬市場も年々規模が拡大しており、20年の1975億元から25年には4162億元、30年には6831億元と年平均10%を超えるペースとなる見込みだ。

 また、世界のBTK阻害薬市場は16年の22億ドルから20年には72億ドルに成長、25年には200億ドルと爆発的な成長を遂げることが予測されており、中国の市場規模も20年の13億元から25年には10倍の131億元、30年には225億元と飛躍的に拡大するものとみられる。
 
 同社は、自社開発の先進的かつ高効率な研究開発プラットフォームを持つこと、オレラブルチニブを主として血液腫瘍性疾患に特化した製剤のラインナップを構築すべく研究開発を進めていること、自前の生産拠点を広東省に構え、開発と生産、販売を一体化した総合バイオ製薬企業体制づくりを進めていることを強みとする一方で、発売済の製品がオレラブルチニブのみで、売上によって莫大な研究開発費を賄えていないことがボトルネックとなっている。また、臨床試験の失敗、発売認可が取得できない、あるいは認可が計画よりも大幅に遅延するといったリスクや、競争の激化、中国国内の医療保険適用リストから除外されるといったリスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は10億4303万元(前期比764.91倍)、純損益は6667万元の赤字(同82.98%の損失減)。22年1〜6月期の売上高は2億4595万元(前年同期比2.41倍)、純損益は4億4581万元の赤字(前年同期比109.22%の赤字増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)