上海証券取引所では9月29日に2社が科創板に新規上場したが、いずれも初値が公開価格を大きく下回る公募割れとなった。
 
 蘇州近岸蛋白質科技(688137/上海)は、公開価格106.19元に対して初値は82.00元だった。終値はさらに値を下げ、同28.89%安の75.51元だった。
 
 同社は09年設立の民営企業で、21年に株式会社化した。ターゲットタンパク、因子タンパク質、組み換え抗体、酵素および試薬の研究開発、生産、販売、関連サービス提供を主業務としている。タンパク質研究開発技術、抗体研究開発、診断・ワクチン・薬物などタンパク質応用の総合技術プラットフォームを構築し、タンパク質原料から応用技術開発までのイノベーション支援を提供している。21年12月期の売上高は3億4189万元(前期比90.11%増)、純利益は1億4900万元(同79.42%増)。22年1〜6月期の売上高は1億6633万元(前年同期比26.87%増)、純利益は7130万元(同33.87%増)。
 
 新規上場に伴い調達予定の15億元(約300億円)は、約54%の8億545万元を診断コア原料およびイノベーション診断試薬産業化プロジェクトに、約35%の5億2385万元を研究開発センター建設プロジェクトに用いる。
 
 湖北万潤新能源科技(688275/上海)は公開価格299.88元に対し、初値は16.66%低い249.99元だった。終値はさらに下落し、同27.59%安の217.14元だった。
 
 同社は10年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。リチウム電池正極材料の研究開発、生産、販売を主業務としており、特に新エネルギー自動車の動力電池向けに高い安全性、エネルギー密度、サイクル回数を実現する正極材料を提供している。20年における中国国内のリン酸鉄リチウム正極材料市場シェアは13.5%で、リン酸鉄リチウムの出荷量は業界3位。動力電池大手の寧徳時代、BYDのほか、中航リチウム電、億緯リチウム能、ガンフォンリチウムといった著名リチウムイオン電池メーカーのサプライヤーとなっている。
 
 21年12月期の売上高は22億2940万元(前期比3.24倍)、純利益は3億5309万元(前期は4302万元の純損失)。22年1〜6月期の売上高は33億949万元(前年同期比4.87倍)、純利益は4億9194万元(同3.46倍)。
 
 新規上場に伴い調達予定の12億6208万元(約256億円)は、約63%の8億元を子会社である湖北宏邁高科新材料有限公司の高性能リチウムイオン電池材料プロジェクトに、約5%の6208万元をリチウムイオン電池正極材料研究開発センター建設プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)