深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す、華緯科技(001380/深セン)が5月5日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3222万株を発行予定で、公募終了後速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年に浙江華緯針紡有限公司として設立した民営企業で、16年に株式会社化した。自動車用ばねの研究開発、生産、販売を主業務としている。主な製品はサスペンション用ばね、ブレーキ用ばね、異形線ばね、スタビライザーなど。自動車分野以外にも軌道交通、工業用ロボット、農業機械などの分野向けに製品を提供している。これまでに、吉利、長城、BYD、紅旗、長安、北京汽車、上海汽車、小鵬汽車、蔚来汽车など中国の自動車メーカーや、ZF、ハルデックス、クノールブレムゼなどの自動車・車両部品メーカーのサプライチェーンに採用されてきた。
 
 22年12月期の売上構成は、サスペンション用ばねが62.05%、ブレーキ用ばねが14.63%、異形線ばねが6.96%、スタビライザーが14.93%となっている。中国国内向け販売が約90%、海外向けが約10%だ。中国国内市場の乗用車生産台数から推算した、同社のサスペンション用ばね市場シェアは20年が10.81%、21年が14.26%、22年が17.78%となっており、着実にシェアを拡大している。
 
 22年12月期の売上高は8億9022万元(前期比24.02%増)、純利益は1億1233万元(同77.40%増)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が2億1000万〜2億5000万元(前年同期比17.10〜39.40%増)、親会社株主に帰属する純利益が1900万〜2300万元(同33.85〜62.03%増)。
 
 なお、公募価格が同業種上場企業の平均的な株価収益率(PER)を上回る水準に設定された場合、投資リスクに関する公告を発表して公募開始を3週間延期する可能性がある。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)