深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す、常州長青科技(001324/深セン)が5月10日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3450万株を発行予定で、公募終了後速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年設立で、11年に株式会社化した。サンドイッチ複合材の研究開発に立脚し、軌道交通車両内部の天井板、床板、壁などの装飾製品、検査修理、車載乗客情報システムの提供、および建築用内装、外装製品の提供を主業務とする。軌道交通分野では中国中車、アルストム、ボンバルディアなど中国内外の大手車両メーカーと取引関係を持ち、和諧号、復興号、TGVなど国内外の高速鉄道列車のほか、中国国内27都市、世界20カ国・地域で運行している軌道交通車両に内装製品を提供している。また、建築装備分野では中国商務部ビル、国家会議センター、国家図書館、広州白雲空港など中国の主要建築物のほか、英国のロンドン駅など海外のランドマークにも同社の製品が使用されている。
 
 22年12月期の売上構成は、軌道交通車両内装製品が50.33%、建築装飾製品が40.10%、軌道交通検査修理事業が4.06%、車載乗客情報システムが5.51%となっており、ここ数年では建築装飾製品の割合が上昇傾向にある。中国におけるハニカム構造のサンドイッチ複合材開発の先駆者であり、国内で初めて石材ハニカム構造複合板をカーテンウォールに用いたほか、石材やアルミを用いたハニカム構造複合板に関する業界規格の制定に携わってきた。各種環境に合わせた高規格なサンドイッチ複合材料の製造技術を持っていること、軌道交通と建築の両分野をカバーし、さらに特殊車両や船舶分野にも応用範囲を広げつつあること、中国内外の大手事業者、企業を顧客に持っていることなどを強みとする一方で、限定的な生産規模が発展の足かせになりつつあった。新規上場による資金調達で生産体制と研究開発体制を拡充し、さらなる成長を目指す。
 
 22年12月期の売上高は5億1761万元(前期比7.79%増)、純利益は6832万元(同2.59%増)、23年1〜3月期の業績予測は、売上高が9263万〜1億35万元(前年同期比20〜30%増)、純利益が969万〜1211万元(同10〜12倍)。

 なお、公募価格が同業種上場企業の平均的な株価収益率(PER)を上回る水準に設定された場合、投資リスクに関する公告を発表して公募開始を3週間延期する可能性がある。(編集担当:今関忠馬)(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)