北京証券取引所への上場を目指す、河北美邦工程科技(832471/北京)が5月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1320万株を発行予定で、公募価格は10.74元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2005年設立の民営企業で、14年に株式会社化した。化学工業新材料、バイオ健康分野のグリーン製造技術開発をベースとしたソリューションプランの提供、およびテトラヒドロフラン、トルエン酸化反応関連製品などの開発、生産、販売を主業務とする。テトラヒドロフランは化学工業新材料や医薬中間体分野の重要原料で、1,4−ブタンジオール(BDO)の副産物であるLBDOから抽出するテトラヒドロフランの中国国内市場シェアは24.39%で、国内最大規模のLBDO抽出法によるテトラヒドロフラン製造企業の一つとなっている。
 
 また、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、安息香酸などトルエン酸化反応関連製品は工業用化学品、医薬品、農薬、香料の重要原料であり、21年におけるベンジルアルコールの中国市場シェアは生産量ベースで約9%の業界3位、ベンズアルデヒドは約21.7%の業界2位。22年12月期の売上構成は、テトラヒドロフランが40%、トルエン酸化反応関連製品が51%、化学工業製品製造設備が6%となっている。
 
 22年12月期の売上高は5億6445万元(前期比5.11%増)、純利益は9553万元(同40.05%減)。23年1〜3月期の売上高は9230万元(前年同期比37.88%減)、純損益は223万元の赤字(前年同時期は203万元の黒字)。テトラヒドロフランの価格が22年1〜3月に過去最高となった一方で、同年7〜9月より価格が急落したことで収益を圧迫した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)