RFフロントエンドIC(集積回路)の設計、開発を手掛ける広州慧智微電子(688512/上海)が5月16日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格20.92元に対し、初値は9.75%低い18.88元だった。終値は同8.94%安の19.05元だった。
 
 同社は2011年設立の民営企業で、21年に株式会社化した。スマートフォンやIoTなどの分野に用いられるRFフロントエンドICおよびモジュールの研究開発、設計、販売を主業務とする、ファブレス経営企業である。21年の世界の5Gスマートフォン出荷台数から推計した、スマートフォン向け5G通信用低ノイズパワーアンプモジュール・フィルター(L−PAMiF)の世界市場シェアは約2%、低ノイズフロントエンドモジュール(L−FEM)は1.40%。また、スマートフォン以外のデバイス(ウェアラブルデバイス、タブレット、パソコンなど)向けたの5G通信用L−PAMiF世界市場シェアは4%前後と推計される。
 
 22年12月期の売上高は3億5668万元(前期比30.60%減)、純損益は3億491万元の赤字(同4.16%の赤字減)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億1551万〜1億2569万元(前年同期比10.21〜19.92%増)、親会社株主に帰属する純損益は6851万〜7833万元の赤字(前年同期比0.17〜12.69%の赤字減)。
 
 新規上場に伴い調達予定の15億418万元(約293億円)は、約17%の2億5782万元を半導体チップ測定・テストセンター建設プロジェクトに、約50%の7億4636万元を本社拠点および研究開発センター建設プロジェクトに、約33%の5億元を流動資金の補充に用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)