内視鏡低侵襲診療機器メーカーの杭州安傑思医学科技(688581/上海)が5月19日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格125.80元に対し、初値は3.02%低い122.00元だった。終値は同1.19%安の124.30元だった。
 
 同社は2010年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。内視鏡低侵襲診療機器の研究開発、生産、販売を主業務とする。製品は主に止血クリップなどの止血閉合用、スネアや注射針などの内視鏡的粘膜切除・剥離術(EMR/ESD)用、生検鉗子などの生体組織診断用、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)用に分かれており、内視鏡と組み合わせて用いられる。中国国内に加え、米国、ドイツ、イタリア、英国、韓国、オーストラリア、日本など40余りの国・地域向けに販売されている。22年の中国国内における止血クリップ市場シェアは販売数ベースで15.74%、スネアは5.43%、生検鉗子は3.12%となっている。
 
 22年12月期の売上高は3億7111万元(前期比21.49%増)、純利益は1億4495万元(同38.32%増)。23年1〜3月期の業績予測は売上高が8500万〜9000万元(前年同期比9.63〜16.08%増)、純利益が3000万〜3300万元(同7.14〜17.86%増)。
 
 新規上場に伴い調達予定の7億7070万元(約152億円)は、約38%の2億9261万元を年産1000万点の医療用内視鏡設備および機械プロジェクトに、約15%の1億1210万元を販売サービスネットワーク改良プロジェクトに、約22%の1億6598万元を低侵襲医療機器研究開発センタープロジェクトに、約26%の2億元を流動資金の補充に用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)