北京証券取引所への上場を目指す、江蘇易実精密科技(836221/北京)が5月25日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1800万株を発行予定で、公募価格は5.98元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2010年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。自動車精密金属部品の研究開発、生産、販売を主業務とする。自動車のブレーキシステム、各種電子制御ユニット、新エネルギー自動車高圧接続システム、自動車エンジン、トランスミッションなどに用いられており、TEコネクティビティ、APTIV、ボルグワーナー、BOGE、ボッシュ、柏獅精密電子、ブローゼ、ヒルシュマン、聯合汽車電子、立訊精密など国内外の著名自動車部品、電子部品メーカーを顧客に持つ。
 
 売上構成は20年には新エネ車用精密部品が23.31%、化石燃料車専用精密金属部品が33.02%、自動車汎用精密金属部品が43.67%だったが、22年には新エネ車専用部品が50.82%、化石燃料車部品が18.43%、自動車汎用部品が30.75%と新エネ車部品の割合が大きく高まった。世界の自動車生産台数と自動車1台あたりの使用数、同社の販売実績から推算した、21年の自動車のABSシステムに用いるアルミ製ブレーキインサート世界市場シェアは29.21%と業界の上位に位置する。
 
 高い技術開発力と先進的な生産設備、優れた品質管理能力を持ち、成長著しい新エネ車分野に早い時期から目を着け、製品の開発、生産に取り組んできたことなどを強みとする一方で、国内外の主要ライバルと比べると全体的な経営規模が小さく、資金や土地の制約から今後さらに拡大するであろうニーズを満たす生産能力を確保できていないことが喫緊の課題となっている。新規上場による資金調達で、新エネ車の生産能力拡大を進める計画だ。

 22年12月期の売上高は2億3205万元(前期比52.35%増)、純利益は3949万元(同44.10%増)。23年1〜3月期の売上高は5032万元(前年同期比6.50%増)、純利益は793万元(同0.95%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)