上海証券取引所の科創板への上場を目指す、重慶西山科技(688576/上海)が5月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1325万株を発行予定で、公募価格は135.8元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1999年設立の民営企業で、2015年に株式会社化した。低侵襲外科手術用医療機器向けの動力装置の研究開発、製造、販売を主業務としており、神経外科、耳鼻咽喉科、整形外科、乳腺外科など多くの診療科で利用されている。製品は中国国内の総合病院ランキング上位50カ所のうち39カ所で使用されており、高い評価を受けている。22年12月期における売上構成は、手術用動力装置本体が24.92%、消耗品が64.74%、部品が7.96%。
 
 19〜21年の3年間における中国国内病院の手術動力装置公開調達総台数1753台のうち、同社が受注した台数は291台と全体の16.60%を占め、メドトロニックの17.00%に次ぐ業界第2位だった。高い技術力、20年を超える経験に裏付けられた研究開発力、スピーディで質の高いサービス力、首都医科大学付属北京天壇医院、重慶大学、上海交通大学、第三軍医大学第一付属医院など多くの著名大学との研究協力を行ってきたことなどを強みとする一方で、生産、販売規模が小さく国際市場の競争に参入できていないこと、製品ラインナップや一部技術の先進性で海外の同業者を凌ぐものの、全体的な技術力、ブランド知名度、顧客からの信頼度などではなおも大きく劣っていることなどがボトルネックとなっている。
 
 22年12月期の売上高は2億6227元(前期比25.58%増)、純利益は7535万元(同22.66%増)。23年1〜3月期の売上高は2359万元(前年同期比55.06%増)、純利益は2394万元(同2.06倍)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)