宇宙航空関連部品・設備メーカーの湖南航天環宇通信科技(688523/上海)が6月2日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格21.86元に対し、初値は42.27%高い31.10元だった。終値は同55.49%高の33.99元だった。
 
 同社は2000年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。航空宇宙技術設備、航空宇宙関連製品および衛星通信設備などの研究開発、製造を主業務としている。宇宙関連設備では衛星搭載マイクロ波アンテナ、マイクロ波部品、熱コントロール部品などを扱い、航空宇宙技術設備では金属・複合材料部品成型設備、組立用ブラケット、複合材料部品自動化生産ライン、機体組立生産ラインなどを手掛け、ARJやC919など中国製民間航空機および軍用機の部品製造設備を提供している。このほか、中国電科、中国電子、中国星網、航天科技、航天科工など国有企業の傘下機関と取引関係を持つ。
 
 22年12月期の売上高は4億141万元(前期比31.22%増)、純利益は1億2825万元(同51.06%増)。23年1〜3月期の売上高は2538万元(前年同期比3.07倍)、純利益は528万元(前年同時期は729万元の赤字)。
 
 新規上場に伴い調達予定の5億元(約98億円)は、軍民両用の通信・測定制御およびテスト設備産業化プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)