16日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比320.90ポイント(1.93%)安の16279.56ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が106.86ポイント(1.82%)安の5749.58ポイントと4日続落した。売買代金は580億8330万香港ドルとなっている(15日の前場は543億440万香港ドル)。
 内外環境の不透明感が投資家心理を冷やす流れ。取引時間中に公表された中国経済統計では、今年1〜3月期GDP成長率が5.3%に拡大し、予想(4.3%)を上回ったものの、3月の小売売上高や鉱工業生産が予想を大幅に下回っている。不動産関連の統計も前年割れが続いた。先行して発表された3月の金融と貿易の統計が下振れていたこともあり、足元の景気鈍化が懸念されている。外部環境もネガティブ。中東地域の地政学リスクが高まっているほか、米長期債利回りの上昇基調も嫌気された。米中金利差の拡大が警戒される中、上海外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進行している。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を約1カ月ぶりの元安水準に設定。市場では、当局は元安を容認しているとの声も聞かれている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄、ほぼ全面安(構成82のうち下落80)。個別では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.8%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)と中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)がそろって5.1%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が安い。世茂集団HD(813/HK)と合景泰富集団HD(1813/HK)がそろって7.9%、遠洋集団HD(3377/HK)が7.6%、中国奥園集団(3883/HK)が6.5%ずつ下落した。業績に対する懸念が強まっている。1〜3月の不動産開発投資は前年同期比で9.5%減に落ち込み、減少率は1〜2月の9.0%から拡大した。
 自動車セクターも急落。蔚来集団(9866/HK)が9.9%安、小鵬汽車(9868/HK)が6.0%安、浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.9%安、理想汽車(2015/HK)が4.8%安で引けた。上述した小売統計では、自動車販売の縮小が明らかになっている。
 セメントや鉄鋼、非鉄など素材セクターもさえない。中国西部水泥(2233/HK)が4.5%安、華潤建材科技HD(1313/HK)が3.5%安、鞍鋼(347/HK)が3.7%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.4%安、江西カン鋒リ業(1772/HK)が6.4%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.3%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.42%安の3013.84ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。消費関連株、素材株、ハイテク株、インフラ関連株、医薬株、公益株、金融株なども売られた。半面、エネルギー株の一角は買われている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)