急激な経済発展を遂げる中国では貧富の差が拡大している。中国はもともと「豊かになれる人からまず豊かになれ」として改革開放を行ったが、貧しい人びとは経済発展から取り残され、発展の恩恵を受けられずにいるのが現状であり、豊かな人には富が集中する構造になっている。
 
 そして、改革開放を行ったトウ小平は「豊かになった人は貧しい人を助けよ」と提唱したが、豊かになった人のなかには中国から富を海外に移し、そのまま移民してしまう人も少なからず存在する。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国の民間シンクタンクである胡潤研究院がまとめた2017年の中国投資移民白書の内容を紹介しつつ、「なぜ富裕層は米国を目指すのか」と問いかける記事を掲載した。
 
 報道によれば、胡潤研究院は2017年4月から7月にかけて、中国の富裕層304人を対象に調査を行った。調査対象者の平均資産は2000万元(約3億3000万円)で、調査対象者のうち46.5%が中国からの移民を真剣に検討しており、9%はすでに移民申請を行っていると回答した。
 
 ではなぜこれほど多くの中国人富裕層が移民を検討しているのだろうか。調査の結果を見ると主に4つの理由が挙げられてい。、それは「教育の質」、「環境汚染」、「生活環境」、「医療水準」であり、これらの点において中国は他国より大きく劣っているがゆえに富裕層は移民を望むのだという。また他の要素として「人民元の下落と中国国内の不動産価格の変動リスクを考慮し、海外に資産を分散させる」ことを望む傾向があるともしている。
 
 また、中国の富裕層が希望する移民先で最も人気だったのは米国で、次いでカナダ、英国、オーストラリアなどとなった。米国は教育や投資先としての魅力、移民政策、税制、医療、ビザの取得しやすさ、中国人にとっての暮らしやすさといった点で高く評価されており、中国人富裕層が希望する移民先として3年連続で1位になった。
 
 中国では愛国主義が叫ばれ、日本製品や日系車の購入を批判する人が少なからず存在する。だが、富を獲得し、中国以外の国を知っている富裕層ほど、中国から他の国に国籍を移す「移民」を希望しているという状況となっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)