中国では日本の匠の精神がたびたび話題に上るが、そのたびに必ずと言っていいほど「寿司(すし)の神様」こと小野二郎氏の名前も挙がる。これは、米国のドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」が多くの中国人に鑑賞された影響も大きいと思われ、日本のすし職人が持つプロ意識を世界に広めるのに役立った。
 
 しかし、中国メディアの南方都市報は30日、「日本のすし店にはなぜ女性職人がいないのか」と題して、疑問を呈する記事を掲載した。記事は、日本旅行で実際に見聞きしたことから、女性差別ではないかとしている。
 
 筆者は、日本旅行へ行くにあたり、友人である日本人女性においしい店を尋ねたそうだ。そしてせっかく日本に行くなら、映画で見た店に行ってみたいと思ったのか、「寿司の神様」の店はどうかと質問したという。
 
 しかしその友人は、「すし屋は女性蔑視だから行きたくない」と言ったそうだ。筆者は、「そんな話は初耳だ」と当惑。なぜなら、映画で見た小野二郎氏は、女性客を差別するどころか、左利きの女性客に対し左寄りに寿司を出すなど気配りが素晴らしく、まさに匠の技だったからだ。
 
 ところが、ふらりと入った別のすし店で「すし職人が男性ばかり」であることに気づき、友人の言っている意味が分かったという筆者。その理由についてある日本料理人が、体温や味覚の変化、化粧が嗅覚と衛生に影響するためなどと説明していることを紹介したが、「納得はできない」としている。
 
 筆者は、あるテレビ番組で小野二郎氏が、年齢とともに手が乾燥しやすくなるため米が手についてしまうが、水を付けるという対策があると語っていたことを紹介。高齢者でも寿司を握れるのなら女性に何の問題があるのかと思った、と自身の感想を記した。
 
 男性ばかりだった職人の世界に女性が入るのは難しいことなのは理解できる。しかし、職人が女性ばかりというすし店「なでしこ寿司」という店があるのも事実であり、今後はすし店でも女性の板前が見られるようになるかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)