旅先ではその土地の特色を生かした美食は欠かせないものだ。日本には各地に特色あるご当地料理があり、国内外からの旅行者を楽しませている。それは駅弁も同じで、駅ごとに土地の特色ある弁当が販売されており、旅の良い思い出作りに一役買っている。中国メディアの百号度はこのほど、「中国の鉄道では弁当はなぜ売れないのか」と題する記事を掲載した。日本の駅弁と比較してみると、その理由が分かるとしている。

 記事はまず、中国の交通は飛躍的な進歩を遂げ、「世界で最も交通の便利な国」になったと誇らしげに紹介。高速鉄道の発展で影の薄くなった鈍行列車も、時間はかかるが安くて長距離の移動ができるため、今でもかなりの利用者がいるそうだ。

 そんな鈍行列車では、長時間の移動になるためどうしても「食事の心配」がある。車内で弁当も販売してはいるもののほとんど売れず、乗客は十分な数のインスタントラーメンを買って乗車することが多いと記事は伝えた。なぜ中国では日本のように駅弁が売れないのだろうか。

 記事は、中国の弁当は「中身と価格のつり合いが取れていない」と指摘。高い値段設定のわりに、見た目が質素で安っぽいので、買う気がしないという。写真も掲載しているが、全体的に茶色でボリュームはありそうだが食欲はそそられない。この点、日本の駅弁は見た目がきれいなので思わず「買いたくなる」と記事は伝えている。いろどりが良く栄養バランスも考えられており、弁当箱にも盛り付けかたにもこだわりがあって、「価格に見合っている」と称賛した。中国の弁当は、満腹感を重視するのに対し、日本の駅弁にはわくわく感があると言えるだろう。

 記事はさらに、「文化」も異なると分析。日本には昔から駅弁文化があるが、「中国人にとって列車で食べた思い出はインスタントラーメン」になるそうだ。高速鉄道がまだ無かったころは多くの国民が貧しく、車内では「インスタントラーメンで飢えをしのいだという少し大変で温かな思い出がある」としている。

 鈍行列車に乗りながらインスタントラーメンをみんなですするというのも、また味わいのある光景なのかもしれないが、中国ではいまだに駅弁があまり発展を遂げていないというのは、食にこだわる中国にしては不思議なことだ。中国も日本の駅弁文化から学ぶことが多くあるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)