ロシアやカナダ、米国、中国、ブラジル、オーストラリアなどは「国土面積の大きな国」として知られているが、中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「国土面積の大きい国は少なくないのに、なぜ中国だけが高速鉄道をこんなに大規模に建設しているのか」というタイトルのスレッドが立てられた。

 国土面積が大きな国家のなかには米国のように「航空機」をフル活用している国もあるが、スレッドを立ち上げたユーザーは「なぜ中国は空の便ではなく、高速鉄道にここまで執着するのか」と疑問に感じているようだ。

 この質問に対して多くの中国人ネットユーザーがそれぞれの見解を投稿している。たとえば、あるユーザーは「米国は航空機と自動車が主要な移動手段となっているが、ジェット燃料もガソリンのどちらも米国で産出される原油から安価に精製できる」と指摘し、低コストでの移動が可能であるという点が航空機と自動車を主役に押し上げたのではないかと主張した。

 一方、米国ほど原油産出量がない中国がもし航空機や自動車を主要な移動手段とした場合、エネルギー不足という事態に陥った時に「米国との関係がどれほど悪くても米国に頭を下げざるをえなくなる」と主張。エネルギー安全保障の観点からも、中国はジェット燃料やガソリンを大量に消費する交通手段を主役にはできなかったのではないかと指摘しつつ、「電力をエネルギー源とする高速鉄道であればこうした事態を回避できるのも一因だった可能性がある」と論じた。

 また日本はすでに新幹線というインフラの整備をほぼ終えていると紹介し、日本の例からも高速鉄道は国にとって非常に価値の高い交通手段であることが証明されていると指摘するコメントもあった。確かに新幹線の経済波及効果は極めて大きいことがこれまでの研究で分かっている。

 さらに別の中国人ネットユーザーは、中国には「春節」という国民の大規模移動の時期があり、この大規模輸送は航空機でも自動車でもなく、高速鉄道でなければ担うことはできないと主張し、こうした実需が高速鉄道の整備につながったのではないかという意見も見られた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)