中国では日本を「恐ろしい国」と表現することがある。中国の10分の1以下の人口、26分の1以下の国土面積でありながら、世界第3位の経済力を持ち、多数のノーベル賞受賞者を輩出するなど、中国にはない強みがあることが「恐ろしく感じられる」のだろう。中国メディアの騰訊はこのほど、「日本人の恐ろしさの秘訣は幼稚園にある」と主張する記事を掲載した。

 日本人のまじめで細かい仕事ぶりは「匠の精神」あってこそと中国でも高く評価されており、「匠の精神」という言葉は近年、中国の多くの企業家が好んで使い、座右の銘にしているほどだという。「だいたい同じ」を意味する「差不多」という言葉が好きな、おおらかな中国人には「細かい仕事ぶりこそ、自分たちに足りていない点」という自覚があるのかもしれない。

 しかし記事は、日本人も「匠の精神」を生まれながらに持っているのではなく、小さなときから教育により身につけていると分析している。例えば、日本のある幼稚園は甘やかさない方針を取っていて、あえて不便さを取り入れていると紹介した。園内には、閉まりにくいドアやでこぼこの園庭、水が足にかかりやすい蛇口などがあり、子どもたちが「自分で考え、解決する機会」を作っていると感心した。子どもたちの前から障害を取り除くのに苦心している中国の親には信じられない方法だろう。
 
 またこの「考える力」のおかげで、日本の子どもは「何をするにも細かく」、また「他人に優しくなれる」とも記事は伝えている。閉まりにくいドアをきちんと最後まで閉めれば、すき間風が入って人に迷惑をかけることはない。甘やかされないからこそ、言動に注意深くなり、思いやりのある子どもになれるとした。日本製品が使う人の立場になってよく考えられた設計となっているのは、日本人が幼少期に「考える力」を身につけているからだと論じた。

 中国では、大人がどうしても子どもを甘やかしてしまうものだ。子どもに苦労をさせるのは「かわいそう」だと、何でも大人が手を出してしまう。しかし、不便さが子どもに考えるチャンスを与えているのであれば、甘やかすのはそのチャンスを奪っていることになるだろう。とはいえ、子どもに甘い中国の親が心を鬼にするのは難しく、やはり子どもに「匠の精神」を教えられる日本人が「恐ろしく」感じるのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)