世界第2位の経済大国となった中国。経済成長率10%前後の急速な発展はすでに落ち着き、新たな段階に突入しているが、中国人のなかには「中国は自力でここまでの発展を遂げた」として、「さすが我が国」と祖国に誇りを持つ人は多い。

 中国の発展は実は「日本にも大きく支えられてきた」と言っても過言ではないだろう。だが、これを知る中国人は極めて少ないのが現実だ。中国のQ&Aサイト知乎はこのほど、「日本からこんなに援助を受けてきたなんて、信じたくない」と題して、日本による政府開発援助(ODA)を紹介する投稿記事を掲載した。

 記事の中国人筆者は、1979年から約40年にわたり、日本が中国に合計3兆6000億円を超える規模の援助を行ってきた、という多くの中国人が知らない真実を伝えている。

 中国人筆者は、日本が中国のどの都市でどのようなプロジェクトをどれほどの金額をかけて援助してきたか、一覧にして紹介している。多くは鉄道の建設・拡張・電化、港の建設、水力発電所の建設、病院・工場・空港の建設といったインフラ整備で、音楽団への楽器提供や、ワクチン接種拡大計画への援助なども含まれている。いずれも、中国人の生活に直結するものばかりだ。

 中国では「中国人が生活できるのは共産党のおかげ」という言い回しがよく使われるが、日本がこれだけ多くの援助を行ってきた、という事実を多くの中国人は今も知らないままだ。

 中国人筆者はさらに一例として、約20年前に貴州省の農村部に日本の援助で作られた貯水槽と水道施設が、今でも水源として活用されていると紹介した。しかし、地元の村民は「ほかの水利施設は使えなくなったが、これは今でも使える。でも誰が作ったかは知らない」と述べていると紹介した。また日本の援助で建設した重慶市のモノレールについても、今では若者に人気のスポットになっているが、当時の中国にはモノレール技術がなく、日本の技術援助がなければ作れなかったことを知る中国人はほとんどいないそうだ。

 中国の近代化を支えた「最大の援助国」として、日本は巨額のODA援助を行ってきたのに、多くの中国人が知らないままというのはあまりに不自然ではないだろうか。中国人には、記事の中国人筆者の言う「信じたくない」事実をもっと知ってもらいたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)