中国の習近平国家主席は深刻化する格差縮小に向け、「共同富裕」というスローガンを打ち出した。中国では個人間の格差だけでなく、地域間の格差も大きく、沿岸の都市部は先進国を凌ぐほどの発展を遂げたが、内陸部には基本的な生活インフラすら整備されていない農村も多い。

 中国メディアの百家号はこのほど、中国の農村振興においては日本や韓国の事例が参考になると伝えたうえで、日本と韓国がこれまでどのような取り組みを行ってきたかについて紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の事例を紹介した。日本でもかつては地方から都市部に「人」と「カネ」の双方が大量に流出し、地方の農村部は苦境に直面した経験があると紹介する一方、そうした状況で始まったのが「一村一品運動」だったと紹介した。

 一村一品運動はもともと大分県が行った運動であり、各地域がそれぞれ「特産品」を作ることで地方や農村の振興につなげようとするものだ。大分県での成功が日本全国に広がり、国際協力機構によれば、今では「世界各地で地域活性化の手本」とされるまでになっている。記事は、一村一品運動が生まれた日本では「特産品に絡めた6次産業の発展」などに進化しており、地方創生に向けた取り組みとして期待が集まっていると伝えた。

 また、韓国のケースでは1970年代に「セマウル運動」という地方開発運動が展開されたと紹介。行政の主導で始まったこの取り組みは、農業生産の標準化や農業経営の組織化・規模化などを通じた農村の近代化が行われ、比較的短期間で大きな成果を挙げることに成功し、都市部と農村部の貧富の格差を縮小させることに成功したと伝えた。

 記事は、中国の農村振興は「党の主導」で行われるという点で韓国に近いものがあると指摘する一方、日本と韓国はともに長い時間をかけて地方や農村振興に取り組んできた経験があると紹介、中国としてはその成功例から多くを学ぶことができると伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)