中国ではますます愛国精神を強調するようになっており、他国の文化を褒めただけで「愛国者ではない」と言われるほどになってしまったようだ。中国のQ&Aサイト・知乎はこのほど、「日本文化が好きな人は愛国者ではないのか」と題するスレッドを掲載した。

 スレ主は、日本をはじめとする外国の文化や事物を好きだと言うだけで叩かれる中国社会の風潮に疑問を呈し、「愛国は形だけではないはず」と主張している。「今は鎖国の時代ではない」ので、愛国者であっても外国の文化を好きになるのは当然ではないのかと問いかけつつ、「外国人には中国文化を好きになって欲しいと願いながら、中国人が外国の文化を好きになると批判されるのはおかしい」と主張している。

 スレッドに集まったコメントを見てみると、その多くがスレ主の意見に賛同するもので、「日本好きと愛国とは全く別の話」との意見が大半を占めた。外国の文化を褒めただけで「愛国者ではない」と言われるのは「前世紀にも見られた風潮」、「自信がなかった昔ならいざ知らず、今は2021年だぞ」という声もあったので、中国国内にも時代に逆行した風潮と感じている人は多いようだ。「この考え方からするとスーツを着たら愛国者ではないことになるのか」など、矛盾点が多く指摘されていた。

 むしろ、愛国のためには外国を排斥するのではなく、外国と交流を図り、学び合い、国を発展させて世界平和を目指すべきとの意見も多く、孫子の言葉である「敵を知り己を知れば百戦負けなし」を引用する人もいた。また、大国としての度量を示すべきと言う意見も少なくなく、大国なら「海納百川」つまり大海のような包容力を持とうと呼びかける人もいた。

 このスレッドには、海外の文化を愛することと、愛国精神を一緒くたにしてはいけないとの意見ばかりが並んだが、ある中国人ユーザーは「メッセンジャーアプリで日本に好意的なことを書いただけで一群の愛国青年が飛び出してきて罵倒される」と書き込んでおり、やはり日本を称賛するだけで批判されるのは多々あることのようだ。中国のネットユーザーらには、ぜひ「海納百川」の気持ちを忘れず、広い視野を持ってほしいところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)