共産党創立100年の節目に当たる2021年、中国の習近平国家主席は農村部の貧困撲滅で完全な勝利を収めたと宣言した。もっとも「貧困」のラインをどこに設定するかで見方は変わってくるが、この8年間で貧困対策に1兆6000億元(約28兆円)を投じたと表明している。中国メディアの騰訊はこのほど、「日本の農村改造は中国にとって参考になる」と伝える記事を掲載した。

 記事はまず、現在の中国の農村部の現状は1950ー1970年代の日本と同様だと指摘し、急速に発展した都市部との格差は広がる一方で、中国の農村は若者たちがどんどん都市部へ流出し、高齢者と子どもしか残されていないと伝えた。

 しかし、現在の日本では田舎は見直されるようになっていて、都市部からの移住者やUターンで都市部から帰ってくる人も増えていると指摘した。まさに中国の理想とする姿だが、日本の田舎の成功例は「住みやすく改造している」ことに秘訣があると分析した。例えば、工場を誘致すれば経済が豊かになっても汚染が問題になるが、日本のある田舎では「川に鯉を放流する」ことで地元住民の意識を変え、地元の人が自主的に川を掃除して環境を整えたことで、住みやすいばかりか観光客まで呼び寄せる結果になったそうだ。

 中国でも田舎の経済発展に「工場誘致」をするのはよくあることだが、対策が短絡的だと記事は指摘している。単純に排水基準を厳しくするので一定の効果はあるが、現地住民の生活にプラスになるわけではなく短期的な効果しかないとした。その点、日本の方法なら田舎が住みやすいので住民が増え、観光客も増えて地元の特産品や伝統工芸が守られ、経済も潤うなど良いことづくめだと称賛した。

 記事は、「日本の田舎改造は中国にとって良い薬になる」と感想を伝えている。日本の農村部でも様々な問題に直面しており、すべての農村が成功しているわけではないかもしれないが、それでも中国の農村に比べて、日本の農村では豊かな暮らしができているのは事実であろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)