ルールを守る習慣が身についている日本人にとって「信号を守る」ことは常識となっている。しかし中国人にとってはそうではないようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、「日本人はなぜ赤信号を無視して渡らないのか」と題する記事が掲載された。

 記事はまず、赤信号でもお構いなしに道路を渡ってしまうのは中国の悪習で、「中国式横断」と命名されてしまっていると指摘した。中国では交通事故の多くが、車側の問題ではなく通行人のマナー違反によって引き起こされているそうだ。車側のマナー違反は目立つものだが、通行人のほうのマナーは見過ごされがちなようだ。

 ではなぜ日本では、赤信号を無視して渡る歩行者がほとんどいないのだろうか。中国ではこういう場合、よく遺伝子が違うという言い方をするが、記事は荀子(じゅんし)の説いた「性悪説」を引き合いに出し、「良い教育を受けてルールに縛られさえすれば、人は善良になる」と主張している。

 この点日本では、歩行者であっても道路交通法7条に反して信号無視をした場合、2万円の罰金又は科料が課せられることがある。記事の中国人筆者によると、中国では歩行者のマナーがどんなに悪くても、交通警察に注意されるか、罰金を取られてもせいぜい20元(340円)程度だという。また中国では、酒気帯び運転のような危険運転に対しても日本ほど罰則が厳しくないので、全体的に交通法規が甘いのではないかとの見方を示している。

 法律を厳しくすればマナーが向上する、というのは中国でよく見られる論調だが、日本で歩行者のマナーが良いのは法律とは関係がないと言えるだろう。記事が指摘した歩行者への罰則は、実際には適用されることがほとんどなく、存在を知らない歩行者も少なくないはずだ。それでも日本人が「赤信号を横断しない」のは、ルールは守るものという意識が刻み込まれているからだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)