中国人の間では不買運動(ボイコット)がたびたび行われ、愛国精神とボイコットを結び付ける傾向があるが、本当に「ボイコットは愛国」なのだろうか。中国の動画配信サイト・好看視頻はこのほど、個人商店を経営しているという中国人男性が「日本製品ボイコットは本当に愛国なのか」と問いかけ、自身の考えを伝える動画を配信した。

 この男性は中国で小さなスーパーを経営していて、自分の店には日本メーカーの商品も「たくさん並んでいる」と紹介し、1つずつ手に取りながら「これも、あれも日本メーカーの製品だ」、「あなたたちも買ったことがあるだろう」と主張した。菓子類や、カップ麺、マヨネーズ、乳酸菌飲料、衛生用品など、食品や日用品が多いが、これらの商品は中国全土のどのスーパーでも売られているほど中国人にとって馴染み深い商品だ。

 この男性は以前に動画で日本メーカーのスポーツドリンクを紹介した時に、思いがけないことに批判の嵐に遭い、「本当の愛国とは何か」を考えさせられたと伝えている。このスポーツドリンクは、2019年に中国でボイコットの対象となったことがある。それから何年も経っているのにまだその印象が強く残っているようだ。当時「逃亡犯条例」の改正案をめぐり抗議活動が続いていた香港で、CMを取りやめたことから騒ぎに発展し、中国ではボイコットが、逆に香港では売り切れが続出する事態となった。

 動画の配信者は、「自分の経営している店に置いている商品に、何ら政治的意図はない」と主張したうえで、「ボイコットは愛国になるのか」と疑問を投げかけている。すでに経済はグローバル化していて、厳密な意味でのボイコットは不可能だ。中国メーカーの製品を使っていても、ほかの国で作られた部品が使われているため、どうしても「ボイコットには矛盾が生じる」と指摘している。

 中国では日本製品だけでなく、人権侵害を問題視した欧米の商品に対しても不買運動が行われてきた。しかしこの方法が本当に愛国的で理性的な行動なのか、疑問を感じる中国人も増えているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)