今から数年前、中国国内で海外旅行ブームが起きたころ、中国のネット上には日本を訪れた中国人が日本の街がいかに美しいか、日本の食べ物がいかにおいしいか、日本のサービス精神がどれほど優れているかを手放しで賞賛する文章が溢れた。それが今では目新しいものはほとんど見かけなくなった。もちろん、新型コロナによって中国人観光客が日本に足を運べなくなったことが影響しているが、中国人の日本や世界、そして自国に対する考え方に大きな変化が生じていることも影響しているのだ。
 
 中国のポータルサイト・百度に17日、以前日本旅行から帰ってきて日本を絶賛した女性を紹介し、その話から感じたことを伝える記事が掲載された。
 
 記事は、ある知り合いの中国人女性が日本文化を崇拝し、日本のアニメに夢中になっており、日本がとても素晴らしい国だと考えていると紹介。その日本に対する賞賛ぶりに「総じて、いささか偏った性格をしていると感じた」とした。
 
 そして、この女性が新型コロナ感染拡大前の日本旅行ブームの頃に日本を訪れ、帰国すると日本の風景が美しかった、空気がとても新鮮で、街は清潔で・・・と次から次へと日本について絶賛する話が繰り出されたと説明。いささか辟易しているこちらの様子は気にもせず、おいしい食べ物がたくさんあった、できれば日本に住みたいなどと言い、しまいには「日本で結婚できたらいいのに」と言い出す始末だったと紹介している。
 
 その上で「日本のアニメが好きで、日本文化を学ぶのが単なる趣味というのならまだいいが、中国人としての自国や民族の尊厳は守らなければいけないと感じた」とし、盲目的な日本崇拝に対して違和感や嫌悪感を覚えたことを伝えた。また、ネット上でさまざまな情報が氾濫するなかで、外部の情報を何の抵抗もなく信じ、追いかけてしまう人が多いことにも言及し、冷静かつ客観的に物事を眺め、考える必要性を指摘した。
 
 新型コロナが終息すれば、再び多くの中国人観光客が日本を訪れることだろう。しかし彼らは以前のように日本のことを手放しで賞賛することはないだろう。政治的に関係が冷え込んでいることから、中国のネット上では日本に対するネガティブな言論が目立つ昨今だが、「コロナ後」の中国人観光客には日本社会の良い点と「そうでもない点」の両方をしっかり見て、発信してもらいたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)