深セン創業板への上場を目指している製薬会社の誠達薬業(301201/深セン)が10日より公募を開始する。発行予定の株式は最大2417万4035株で、公募価格は72.69元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は、国際的な製薬会社や医薬研究開発機関に対して医薬品中間体のCDMO(受託製造)サービスに注力するとともに、カルニチン系製品の研究開発、生産、販売を行なっている。1999年設立の民間企業で、これまでに腫瘍、HIV、B型・C型肝炎、骨髄線維化、癲癇、パーキンソン病などの治療分野にサービスを提供し、インサイト、ヘルシン、エボニック、ギリアド、グラクソ・スミスクラインなどの大手製薬会社を顧客に持つ。特に、カルニチン系製品は世界における主要メーカーの1つとして、30あまりの国に製品が輸出され、高い競争力を誇る。

 医薬品産業は近年世界的に規模が急速に拡大しており、2014〜2019年における世界の医薬支出総額の年間平均成長率は4.7%、2019年の総支出は1兆2億5000万ドルだった。2020〜2024年も年平均3〜6%のペースで市場規模が拡大することが見込まれている。また、2019年時点で米国に継ぐ世界第2の医薬市場規模を持つ中国は、世界平均を上回る速度での成長が予測されており、2020〜2024年の年平均成長率は5〜8%、2024年の市場規模は1650〜1690億ドルに達するとみられる。
 
 医薬品のアウトソーシング分野は主にCRO(受託治験)、CDMO、CSO(受託販売)に分けられ、同社は主に製造セクションを担うCDMO市場をフィールドとしている。世界の医薬品業界では2008年の世界金融危機以降アウトソーシングの流れが加速し、アウトソーシング業界はかつてないほどの発展の好機を迎えている。世界のCDMO市場規模は2014年の178億ドルから2018年には268億ドルと年平均10.7%のペースで成長。2018〜2023年には更に高い年平均14.1%で成長し、2023年の世界のCDMO市場規模は518億ドルに到達する見込みで、中国に至っては年平均28.9%前後で成長して、85億ドルの市場規模になる。
 
 業界を取り巻く状況は良好と言えるが、同社は資金力不足などの理由によりCDMO事業で大きなシェアを獲得するに至っていない。2020年の中国国内のシェアは0.80%で第6位となっている。一方でカルニチン系製品は世界シェアを急速に伸ばしており、2018年の9.45%から2020年には14.25%まで拡大した。上場による資金調達でCDMD事業の拡大を目指すが、委託企業から得た新薬開発資料や重要技術といった知的財産権の安全性をどのように確保していくかが大きな課題であり、大きなリスク要因に挙げられる。
 
 2020年12月期の売上高は3億7303万元(前期比26.9%増)、純利益は1億1960万元(同120.7%増)。2021年1〜9月期の売上高は2億8986万元(前年同期比8.58%増)、純利益は7037万元(同7.78%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)