上海メインボードへの上場を目指す広東緯徳信息科技(緯徳信息、688171/上海)が10日、新規株式公開(IPO)の目論見書を公開し、18日に公募を開始することを明らかにした。2094万株を発行予定で、公開価格は14日に決定する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は主に工業系企業に対して情報セキュリティ関連の製品、サービスを提供している。特に電力配送ネットワーク向けの暗号技術、セキュリティプロトコル技術などの情報セキュリティ分野に強みを持っており、高い技術力と安定した品質、優れたサービス力により国家電網、南方電網などの大手電力会社を顧客に持つ。5G、人工知能(AI)、エッジコンピューティングなどの技術と融合した情報セキュリティ技術の開発に取り組み、日々高まる顧客のニーズに応えるとともに、交通、水利、通信、軍需工業などへの市場開拓を目指す。なお、目論見書発行時点で海外展開は行なっていない。

 電力ネットワーク情報セキュリティ分野は2017年下半期に急発展期に入った新興産業で、この分野に特化した業者は2018〜2020年に年平均28.48%のペースで売上を伸ばしてきた。一方で、会社が若いこと、業務規模が小さいこと、研究開発費用の累計が少ないこと、さらには経営安定の基盤となる主力製品が開発途上であることから、大手の情報セキュリティ企業が早期に参入すればシェアを奪われるリスクがある。IPOで調達した資金による研究開発強化、新規市場開拓が、同社にとって成長を維持できるか否かのカギとなる。今回調達予定の約4億2000万元のうち、50%近い約2億元を新世代のスマートセキュリティ製品開発、産業化プロジェクトに用いる予定だ。

 2020年12月期の売上高は1億3859万元(前年比11%増)、純利益は6366万元(同0.2%増)。2021年1〜9月期の売上高は8262万元(前年同期比7.66%増)、純利益は3636万元(同9.35%減)で、純利益減少の理由については、販売費用と研究開発費用の増加が売上増加分を上回ったためとしている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)