深セン創業板への上場を目指している医療機器メーカーの採納科技股フェン(採納股フェン、301122/深セン)は10日、新規株式公開(IPO)の目論見書を発表するとともに、18日より公募を開始することを明らかにした。公開予定株式は2350万株で、公開価格は14日に決定する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は動物用および医療用穿刺針、注射器、その他関連医療機器、実験用消耗品の生産を手掛けており、ODMやOEM形式にて世界の著名医療機器メーカーに製品を提供している。2020年に新型コロナの感染が拡大した際は国の呼びかけに応じてマスクの生産販売を拡大し、マスク価格の高騰に伴って大きな売上を獲得した。一方で、2021年に入ってマスクの売上が大きく減少し、マスクの生産販売継続がリスクになること、主業務である注射用具の開発、生産販売に専念することから、マスクの生産をすでに停止しており、今後も生産を行う予定はないとしている。
 
 また、医療機器の研究開発に力を入れており、目論見書作成時点で米FDAから21製品の登録認可を受け、中国の注射器具業界中で最も多い。また、28製品がEUのCE認証を獲得しており、こちらも業界の中でトップクラスにある。募集予定の約4億元のうち、約3億900万元を年産9億2000万本(セット)の医療用注射穿刺機器産業パーク建設プロジェクトに用いる計画だ。
 
 中国の医療機器業界は、中国国内の医療衛生政策強化、医療保障体制の充実に伴い需要が安定的に伸びており、2020年の低額医療用消耗品市場品規模は970億元に達した。また国外輸出も旺盛で、2019年の使い捨て医療用消耗品輸出額は54億8800万米ドルで前年に比べて約40%増加し、2020年1〜6月の輸出額も前年同期比42.71%増となっている。一方で、米国が世界における注射関連器具の一大輸入国となっており、同社の売上高に占める米国市場での売上高の割合が70%以上に達しているため、昨今の不安定な米中関係は同社にとって大きなリスクの一つである。

 2020年12月期の売上高は5億500万元(前期比178.5%増)、純利益は1億3703万元(同323.8%増)。2021年1〜9月期の売上高は3億826万元(前年同期比26.6%減)、純利益は9076万元(同23.24%減)。2020年の大幅な増収増益、および21年の減収減益はマスク価格が2020年に高騰したことによるもの。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)